米国本土の場合には、ニューヨークやロサンゼルスなどでは日本人用の診療所もあり、医療レベルにはもちろん問題はない。場所によっては日本語対応に問題があるが、現地で日本語でサポートしてくれる人も割と容易に見つけることもできる。ただし、病院ごとの格差があるので、なるべく有名病院を受診することも肝要である。

 注意を要する点は、ハワイも含めた米国は、「医療費が世界一高い」と言われているほど高額なことだ。つまり、海外旅行保険でカバーできる範囲か否かという問題が生じる可能性があるのだ。

 実際、医療費の請求が1000万円を超えることもあり得るからである。

 例えば、下記のようなケースもありえる。

「私は企業の経営者です。現地の高級ホテルで突然に意識を失ったようです。詳しいことは覚えていません。術後にICUに3日間いて、その後1ヵ月間その病院に入院していました。病医名は腸管膜動脈血栓症でした。後で、請求書を見て驚きました。1億円でしたから。いくら会社の経営者でもすぐには支払えません。海外旅行保険の支払いの枠をはるかに超えていました。命を取り留めたとはいえ、経緯はよく覚えていないのですから。結局、弁護士を入れて話し合った結果、3000万円の支払いになりました」

 以上は、筆者が過去に聞いた話を基に創ったフィクションだが、一歩間違えば、現実となりうる懸念があるのだ。

先進国での病院の選び方:ヨーロッパ

 ヨーロッパの病院は、通常の医療レベルは低くない。また、通常の国民の場合には、最初に「かかりつけ医」を受診することが義務づけられている場合も多いが、外国人の場合にはその限りではない。

 逆に、大都市に外国人専用あるいは外国人を中心に診ているクリニックが存在するので、そこを受診すれば日本語対応も含め安心である。

 重病の場合には病院を受診することになるが、医療レベルは問題なく、海外旅行保険でカバーできる場合が多く、米国のように金銭面の心配をする必要はない。ただ、日本よりは高額なので、繰り返しとなるが、海外旅行保険への加入をお勧めする。

 ただし、ヨーロッパに限ったことではないが、万が一死亡してしまった場合や、通常の帰国手段が取れない場合には、高額な追加費用が必要な場合もあり得る。