『こちら葛飾区亀有公園前派出所』がついに最終回を迎える。子どもの頃から親しんできた人も多いのではないだろうか。愛着を持った漫画の最終回は、いつでもいろいろな思いが巡るもの。作者への感謝や、もうあのキャラクターに会えないことへのさみしさなど。遠い日の少年少女たちに、「あの漫画の最終回」について思い出を聞いた。郷愁とともに読まれたい。(取材・文/大山くまお、編集協力/プレスラボ)

40年の歴史に終止符を打つ
『こちら葛飾区亀有公園前派出所』

『こち亀』明日終了!読者が語る人気漫画最終回の思い出『こち亀』の舞台となっている東京都葛飾区の亀有駅周辺には、主人公である「両津勘吉」の銅像がある
Photo by Ryo Otsubo

 9月17日発売の『週刊少年ジャンプ』にて、40年の歴史に終止符を打つ『こちら葛飾区亀有公園前派出所』。同日に発行されるコミックスは200巻、話数は全1960回に及び、「少年誌の最長連載記録」「最も発行巻数が多い単一漫画シリーズ」のギネス記録を持つ。何から何かまで破格のコミックだ。何より驚かされるのは、作者の秋本治が40年の間、一度も休載しなかったという事実だろう。

 連載が開始されたのは1976年(昭和51年)、筆者は当時4歳だった。初めての『こち亀』体験は、小学校低学年の頃に叔父が持っていた単行本を読んだことだったと思う。40年間ずっと熱心な読者だったというわけではないが、折に触れて『こち亀』の話題には接してきた。まさに『こち亀』とともに育ってきたようなものだ。最終回を読んで、どのような感想が生まれるのか、いまだ想像がつかない部分がある。

 『こち亀』と同時期に連載されていて、先に最終回を迎えた名作漫画はそれこそ無数にある。『こち亀』が連載されていた期間は、いわゆる「ジャンプ黄金期」と呼ばれる時期をまるごと含んでおり、最も漫画が読まれた時代だと言うこともできる。なかには作品を名作たらしめる素晴らしい最終回、印象的な最終回もあれば、肩透かしだった最終回、がっかりした最終回もあるだろう。小学生、中学生、高校生の頃に夢中になって読んだ少年漫画ほど、最終回を迎えたときの感慨はひとしおのはずだ。

 本稿では、『こち亀』とともに育ってきた30~40代の男女に、「印象的だった少年漫画の最終回」について聞いてみた。※以下、基本的に最終回の内容を含む「ネタバレ」であることを、最初にご承知置きいただきたい。

読者も納得の幸福な最終回
『スラムダンク』『るろうに剣心』など

「やっぱり『SLAM DUNK』(井上雄彦)ですね。当時浪人生で、まったく勉強できなかった自分は『1年間ジャンプは読まないぞ』と心に誓ったのに、たしか最終回が6月頭で、いきなり禁を破ったのをよく覚えています。『第1部完』の文字を信じて、その後もジャンプをこまめにチェックするはめになりました。今となっては、あそこで終わる意味もよくわかりますけど、当時はわからなかったなぁ」(39歳、男性)