昨年と比べれば、概して増額が期待される冬のボーナス。
一方で月給の大幅なベースアップは望めないご時世であるだけに、ボーナス資金をより有効に増やすことも積極的に考えたい。依然として続く超低金利下で、どのような資産運用を心がけるべきか?

深野康彦・ファイナンシャルリサーチ代表06年1月にファイナンシャルリサーチを設立し現職。89年よりFP業務を始める。FP歴20余年のまさに草分け的な存在。新聞、雑誌、テレビ・ラジオ番組、著書などを通して、投資や家計に関するさまざまな情報を、わかりやすく伝えている。

 ひと昔前のボーナスシーズンには、銀行がこぞって大々的なキャンペーンを組んで、預金獲得を競ったものだ。ところが、貸出先を絞っている今は預金集めにいささか消極的に見える。私たち預ける側にしても、ゼロコンマ以下の金利にはとても魅力を感じられないのが実情であろう。給料がなかなか増えない時代になっているうえ、ボーナス運用にも窮するのだから、まさに二重苦である。

 ところが、ファイナンシャルプランナーで、ファイナンシャルリサーチ代表を務める深野康彦氏は、「今こそ、・投資・を始める好機だとも捉えられます」と指摘する。預金のような安全確実な商品ではほとんど増やせないが、投資商品には相応のリターンを期待できるということだ。その理由は何なのか?

 単刀直入に言えば、「まだまだ超低金利が続く預金とは対照的に、投資商品が高収益を上げやすい環境が整ってきている」からである。金利の見通しについて、深野氏はこう指摘する。

  「消費者物価指数(CPI)が+1%以上に達しなければ、ゼロ金利の解除には踏み切らないと日本銀行は明言しています。足元のCPIは-1%程度で、ここから2%も物価が上昇しなければ、解除はありえません。その一方で、10月に公表した『経済・物価情勢の展望(展望レポート)』において日銀の政策委員会は、2012年度のCPIが+0.2~+0.8の範囲内(中央値は+0.6)で推移すると予測していました。この見通しが的確なら、さらに3年間程度にわたって超低金利が続くということになります」