風邪の季節、インフルエンザの季節が到来した。昨年流行した、いわゆる新型インフルエンザについては、WHOがポストパンデミック宣言(世界的大流行の終息宣言)を行なった。

 しかし厚生労働省は再流行の危険もあるとし、慢性疾患のある人や妊婦を中心に、今シーズンから改めてワクチン接種事業を進めている。

 また、新型インフルエンザの大流行がなくとも、「季節性インフルエンザ」が、その名のとおり毎年冬から春先にかけて猛威をふるう可能性もあるため、変わらず用心が必要だ。

 東京都感染症情報センターによると、季節性インフルエンザ予防のポイントは「予防接種(ワクチン)」「手洗い」「咳エチケット」の3つだという。今シーズンは新型インフルエンザと季節性インフルエンザの、混合ワクチンによる予防接種が行なわれるので、自治体やかかりつけの医師に相談してみよう。

 手洗いについては、やはり石鹸を泡立てて、流水でしっかりと洗うこと。流行りのアルコールジェルなども効果はあるが、あくまで流水で洗えないときの補助的手段である。当然ながら咳やくしゃみは、他人に飛沫がかからないように! そのためにもマスクは有効だ。

 以上の三本柱に加えて、体力(≒免疫力)維持のため、バランスのとれた食事を心がけ、こまめに水分を補給し、十分に睡眠をとること。現時点で私たちにできるのは、ここまでである。対策はこれに尽きると言ってもいい。

 とはいえ、他にも何かできるのならしておきたいと考えるのも、人情である。一番簡単なのはふだんの食生活に一品追加することだ。調理が不要ならなおよろしい。

 こんなニーズを見越してか、インフルエンザのシーズン到来直前に、あるプレスセミナーが開催された。

 森永製菓が「冬の脅威から体を守る! ココアの健康機能」と銘打って行なったこのセミナーでは、同社研究所での実験結果が発表された。要約すると「ココアは免疫効果を増強するので、インフルエンザへの予防効果も期待できる」とのことだ。また外部識者からの、「(風邪一般について)発症を抑えるわけではないが、症状を軽くする効果がある」との報告もあった。

 ココアのリラックス効果については広く知られるところだし、ポリフェノールの抗酸化効果も一時期話題となった。ここへきて、「風邪やインフルエンザにもいいらしい」という付加価値も加われば、さらに注目度が増すだろう。

 コーヒーを飲もうか、それともココアを飲もうかと迷ったときに、後者を選ぶといった「プチ・ブーム」が、この冬起きるかもしれない。

(工藤 渉)