時を同じくして、トヨタ自動車がスズキと、日産自動車が三菱自動車とタッグを組んだ。二つの巨大連合がどのような陣容になるのか。地域別の販売・生産体制などにより、それぞれの連合の“完成形”を予想した。(「週刊ダイヤモンド」編集部 浅島亮子)

トヨタ・日産の連合形成で次の注目はホンダの相手

「われわれは、世界最大規模の自動車グループになった」。10月20日、三菱自動車を傘下に収めた日産自動車のカルロス・ゴーン会長兼社長は、満面の笑みを浮かべながらそう宣言した。

 そのちょうど1週間前には、トヨタ自動車とスズキが業務提携の検討を開始したばかり。提携関係にある自動車メーカーの販売台数(2015年)を単純合算すると、トヨタ連合は1523万台、日産連合は1121万台となる。二つの巨大連合は、1000万台超えを目前にしている独フォルクスワーゲンと米ゼネラル・モーターズ(GM)を抜き去った。

 今回明らかになったのは、もはや「1000万台」という規模を追うだけの均質化競争では、自動車メーカーの勝敗を決することができなくなったということ。量から質へ。専業から異業種へ。世界最大から世界最強へ。自動車業界の競争は別次元の戦いへ突入し、熾烈な生存競争が幕を開けた。

 では、トヨタ連合と日産連合は、どのような陣容で着地しそうなのか。トヨタ(ダイハツ工業、日野自動車を含む)からトヨタ連合、日産から日産連合へと勢力を拡大させる「変化」を地域別の販売・生産台数で比較してみた。