2010年の英国で最も視聴者数が多かったテレビ番組は何か? 答えは12月13日夜に放送された「Xファクター」である。平均1770万人が見た。これは昨年6月27日に放送されたサッカー・ワールドカップ、イングランドvsドイツ戦(平均1740万人)を上回る数値だ(BBCニュース)。

 Xファクターとは、視聴者が投票で参加できる新人歌手勝ち抜きオーディション番組である。12月13日はそのファイナルだったため、注目度が特に高まった。同番組を放送したITVは、30秒間のコマーシャルを25万ポンドで売り、過去最高の2500万ポンドを稼いだと報じられている。

 Xファクターは英国では社会現象と化している。放送後の週明けの中間紙(「デイリー・エクスプレス」「デイリー・ミラー」)や大衆紙(「サン」など)は、いつも1面に大きな写真入りで番組の結果を掲載。高級紙(「テレグラフ」「ガーディアン」など)でさえ、1面で報じることがある。

 新聞がXファクターの記事を大々的に載せるのは、販売部数が大きく伸びるからだ。ブックメーカー(賭け屋)は、Xファクター関連のオッズを提示している。