最先端のNPOにおける“働き方”の変化は企業にとって教訓になるダイヤモンド社刊
1890円(税込)

「かつてNPOは、ボランティアは無給だから指示できないと言っていた。ところが今日では、ますます多くのNPOが、ボランティアは無給だからこそ、大きな貢献をしてもらい、仕事に満足してもらわなければならないとしている」(『チェンジ・リーダーの条件』)

 ドラッカーは、今日のボランティアは、善意のアマチュアというよりも、無給のスタッフと見るべきだという。しかもこの変化が、NPOだけでなく、企業にとって大きな意味を持つという。

 ボランティア活動のすべてを支えるものが、責任である。彼ら無給のスタッフとしての知識労働者は、自分たちの成果が目標に照らして評価されることを求める。しかも彼らは、成果を上げていない者は、能力に見合った別の任務に移すことを求める。

 この変化が、企業にとって明快な教訓となる。なぜならば、知識労働者の生産性の向上が、企業のマネジメントにとって今日最大の課題だからである。NPOがそれをどのように行なうかを教える。

 今日、最先端のNPOは、彼ら無給のスタッフに対し、使命を明らかにして目標管理によるマネジメントを行なう。継続学習を奨励し、要求水準を高くする。責任を見合うものにし、自らの仕事ぶりと成果に責任を持たせる。

 かつてはNPOが企業に学んだ。今度は企業がNPOから学ぶ。

「今日NPOに見られる善意のボランティアから無給のスタッフへの変化こそ、アメリカ社会におけるもっとも重要な変化である」(『チェンジ・リーダーの条件』)