残業ゼロがすべてを解決する
【第16回】 2016年12月31日 小山 昇

残業改革での
チャットワークの
メリット・デメリット

電通過労自殺事件で強制捜査が入ったいま、中小企業も大企業もお役所も「残業ゼロ」に無関心ではいられない。
小池都知事が「夜8時には完全退庁を目指す」、日本電産の永守社長が「2020年までに社員の残業をゼロにする」など、行政も企業も「残業ゼロ」への動きが急加速中!
株式会社武蔵野は、数十年前、「超ブラック企業」だった。それが日本で初めて日本経営品質賞を2度受賞後、残業改革で「超ホワイト企業」に変身した。
たった2年強で平均残業時間「56.9%減」、1.5億円もの人件費を削減しながら「過去最高益」を更新。しかも、2015年度新卒採用の25人は、いまだ誰も辞めていない。
人を大切にしながら、社員の生産性を劇的に上げ、残業を一気に減らし、過去最高益を更新。なぜ、そんな魔法のようなことが可能なのか?
『残業ゼロがすべてを解決する』が話題の著者・小山昇社長に、「残業改革でのチャットワークのメリット・デメリット」について語ってもらおう。

マネは最高の創造

小山昇(Noboru Koyama)
株式会社武蔵野代表取締役社長。1948年山梨県生まれ。日本で初めて「日本経営品質賞」を2回受賞(2000年度、2010年度)。2004年からスタートした、3日で108万円の現場研修(=1日36万円の「かばん持ち」)が年々話題となり、現在、70人・1年待ちの人気プログラムとなっている。『1日36万円のかばん持ち』 『【決定版】朝一番の掃除で、あなたの会社が儲かる!』 『朝30分の掃除から儲かる会社に変わる』 『強い会社の教科書』 (以上、ダイヤモンド社)などベスト&ロングセラー多数。
【ホームページ】http://www.m-keiei.jp/

 武蔵野が毎年伸び続けているのは、業界の非常識(他業界の成功事例)を、社内に取り入れているからです。

 わが社は、「チャットワーク」というクラウド型のビジネスチャットツールを導入しています。

 チャットワークを使い始めた理由は、経営サポート会員である株式会社関通(総合物流)の達城社長から、「チャットワークを使うことで業務効率がよくなった。iPadに防水カバーを貼ってお風呂の中でも使い、メールでの日報を全部やめてしまった」という話を聞いたからです。

 それなら、私でもできる。そう思った私は、さっそく関通のマネをした。
 物流業界でうまくいっているツール(=業界の非常識)を取り入れた結果、わが社の残業は大幅に減りました。

 チャットワークはタスクごとの案件管理に活用しました。小さなタスクを多く立ち上げて「使い捨てる」のが基本です。画像データを送るのは本当に便利です。

 また、チャットワークを使うと紙が不要になります。
 紙がなくなると、調べるのが簡単になる。アナログで情報を持っていると、どこにあるのか探すのに時間がかかります。

 ところがデータで資料を持っていれば、簡単に検索できるので時間を節約できます。
 会社に変化をもたらすには、他業界で常識になっていることを、自分の業界でいち早く取り組んで結果を出すことが重要です。

 他業界で実績が出ているものをそのままマネする。
 0を1にすることは困難ですが、1を2や3にすることはできます。
マネは最高の創造です。愚直にマネをして3年も続けたら、それはもうオリジナルです。

チャットワーク導入がデメリットになるとき

 群馬県、埼玉県、千葉県、神奈川県、長野県で薬局を運営する株式会社フラント(群馬県/薬局運営・富士薬局グループ)も、チャットワークを導入し、業務の効率化を図っています。

 石塚雅彦社長は、「社員が節度を持って書き込みをするように」と、経営計画書に「22時半から6時までは、チャットワークの書き込みを禁止する」と明文化しています。

「チャットワークを使うと情報が見える化でき、仕事の流れを議事録的に記録できるので、現場の状況を把握しやすくなります。でも、いつでもどこでも書き込めるメリットが、ときにデメリットになることもあると感じたことがありました。
 あるスタッフが、夜中の1時や2時に書き込みをしていた。他の社員は寝ている時間に彼が書き込む内容は、会社への不満のようなもので、建設的な内容ではありません。夜中に起こされたうえにネガティブな内容を読まされるから、気が滅入ります。
 彼は結局、会社を辞めましたが、このことを機に、チャットワークの使い方に制約を設けることにしました。昨年は、『22時半から6時までは禁止』でしたが、今年からは『22時から禁止』。今後も短くしていくことを考えています」(石塚社長)

小山昇(Noboru Koyama)
株式会社武蔵野代表取締役社長。1948年山梨県生まれ。日本で初めて「日本経営品質賞」を2回受賞(2000年度、2010年度)。2004年からスタートした、3日で108万円の現場研修(=1日36万円の「かばん持ち」)が年々話題となり、現在、70人・1年待ちの人気プログラムとなっている。『1日36万円のかばん持ち』 『【決定版】朝一番の掃除で、あなたの会社が儲かる!』 『朝30分の掃除から儲かる会社に変わる』 『強い会社の教科書』 (以上、ダイヤモンド社)などベスト&ロングセラー多数。
【ホームページ】http://www.m-keiei.jp/