ここ米国では、フェイスブックのIPO(新規株式公開)の可能性について報道が過熱する中で、未公開株を売買できるオンラインサイトの存在に改めて注目が集まっている。

 未公開株の売り手と買い手を結ぶサイトには、代表的なところで、セカンドマーケット(SecondMarket)とシェアズポスト(SharesPost)がある。セカンドマーケットの発表によると、2010年の第4四半期の取引量は1億5780万ドルと、第3四半期から2倍以上の増加を見せたという。

 こうした未公開株取引サイトは、いわゆる“インサイダー”が売り手だ。新興企業の社員や関係者で、給料や報酬の一部を株で受けとっている人々などだ。株を保有している元社員も多い。ここ数年の不況で新興企業のIPOが激減したが、そうした中で資産を流動化したい株主がこうしたサイトに株を持ち込む。

 一方、買い手は、ベンチャーキャピタリストやヘッジファンド、投資信託、裕福な個人投資家らだ。もちろん、新興企業自体が資金集めのために利用することもある。そうした株をIPOに先駆けて投資家が手にするという構図だ。

 これまでは有望な新興企業でも、部外者がその未公開株を入手するのは不可能に近かった。金融業界や投資家の小さなサークルの中だけでやりとりされていたからだ。

 ところが、こうしたサイトが作られたおかげで、それがオープンに取引されるようになった。とはいえ、1回の取引の平均額はおよそ200万ドル。小市民に手の届く額ではないだろう。

 セカンドマーケットが発表した2010年第4四半期のレポートでは、買い需要の多い企業は、1位から順にフェイスブック、ツイッター、リンクトイン、ジンガ(ソーシャル・ゲーム)、クレッグズリスト(オンライン三行広告)、グルーポン、イェルプ(小売店評価サイト)など。セカンドマーケット自体も、人気株の10位に入っている。