「どうせ無理」と言われてあきらめたことはありませんか?そのときに掲げた目標は現実的に不可能なのかもしれません。ただ、そう思っていたら、何事も前には進みません。世の中には、「どうせ無理」を覆した人たちがいっぱいいるのです。シリーズ6万5000部を突破した『ずるい勉強法』より、情熱を絶やさない方法を紹介、年初めのこの時期に読んでほしい内容です。

高い目標が人を奮い立たせ、
やる気にさせてくれる

やる気を維持するための秘訣は、とにかく高い目標を持つことです。

 私の大好きな人物の一人に、吉田松陰がいます。みなさんもご存じかと思いますが、幕末期、多くの人々に影響を与えた武士であり思想家です。

 その松陰は、次のような言葉を残しています。

「如何如何、僕已に狂人、孔孟流儀の忠孝仁義を以って一々責められては一句も之なし」

 これは、「自分はすでに狂人だ。一つの道にまっしぐらに進むことしか頭にない。それを、孔子や孟子の道徳的な教えを引いて責められても、言うべき言葉は見つからない」という意味です。

 松陰の言う「狂人」とは、狂ったような情熱と高い目標を持った人のことだと私は解釈しています。常人では考えられないような壮大な目標が、夢を実現させるエネルギーになるのです。

 私は、以前勤めていた法律事務所から独立する際に、ほかの弁護士仲間から「絶対に無理だ」「東京では難しい」などと言われました。アドバイスはありがたかったのですが、逆に「絶対に大きな事務所をつくってやる!」と奮起し、今、私の事務所は国内有数の規模にまで成長しています。

「司法試験を受ける」と宣言したときも笑われましたし、今も、前回お話ししたように「世界一の事務所をつくり、500年後にも残す」と言っては、やはり多くの人に笑われています。

 ですが、松陰のように、世に名を成した人たちは、常識でははかることができないくらいの大きい志を持って、成功させている人ばかりです。

 100人いたら99人が無理と言うくらいの大きい目標を掲げて進んでいくべきだと、私は強く思います。

 北海道にある「植松電機」は、社員約20名の中小企業です。ある日、専務取締役の植松努氏(現・代表取締役)が「ロケットをつくる」と言ったとき、周囲の全員が「そんなことできるわけがない」「無理だ」と反対しました。しかし、植松氏は、「『どうせ無理だ』と言わない」をモットーに、宇宙開発事業を始め、ついにはロケットや人工衛星をつくることに成功したのです。

 このように、誰が見ても無理だと思うような目標も、信念を持って臨めば達成することができます。高い目標が人を奮い立たせ、やる気にさせてくれるのです。

 どうしても具体的に高い目標を持てないという人は、「世界一幸せになる」でもよいのです。自分を追い込むつもりで、これくらいスケールの大きい目標を公言しましょう。