「予算(目標数値)なんて達成できないよ」
マネジャークラスが毎年抱える悩み

「いや、参りましたよ。経営陣から来期予算の通達があったんですが、とてもじゃないけど達成できる気がしません。ホント、“絵に描いた餅”で、上も達成できるなんて思ってない気がするんですよ。そもそも、数字以前に解決しなきゃいけない課題が山積みの状況だっていうのに、上はどう考えているんでしょうね」

 多くの企業が年度末を迎える3月、マネジャークラスのこうした嘆きが出てくるのは毎年恒例のようにも思われます。とは言いながらも、次の年度末にしっかりと目標を達成するマネジャーが少数ながら確実にいるのも事実です。スタートは全く同じで、同様に「とても届く気がしない」という数字に向かっているにもかかわらず、ゴール地点で大きな差がついてしまうのはなぜなのでしょうか。

 よく、「担当している市場や取引先の有利不利の点で、(達成したか、しないかの)差がついているんじゃないですか?」といった指摘を受けることがありますが、実際はその点はあまり関係ありません。

 今回は、目標を達成できるマネジャーの行動や考え方を整理しながら、ベンチマークすべき点を見出してみたいと思います。

南アフリカW杯における岡田監督の決断から学ぶ
“中期的課題”と“短期的課題”の違い

 まず、目標を達成できているマネジャーたちは、“中期的課題”と“短期的課題”を混同していないという特徴があります。

 これは、考え方として非常に重要なポイントでもあり、私自身はしばしばサッカー日本代表の南アフリカW杯における活躍を例に取り上げて説明しています。