シリーズ97万部突破の大ベストセラー『伝え方が9割』の著者で、先ごろ発売された『まんがでわかる伝え方が9割』も好評の佐々木圭一さんと、映画も大ヒットした『学年ビリのギャルが1年で偏差値を40上げて慶應大学に現役合格した話』の著者であり、新刊『人間は9タイプ』も話題の坪田信貴さん。お二人の対談の「後編」では、『まんがでわかる~』の話に。

『伝え方が9割』には、読み手への優しさがあふれている

「キーマンであるオネエのマリアを描くために、<br />新宿二丁目にも通ったんですよ」

坪田 僕、佐々木さんのことを尊敬していて、敬愛していて、もう言葉があまり出てこないぐらい大好きなんです。で、なんでこんなに大好きなんだろう…といろいろ考えた時に、まず大前提としてすごく優しい方なんですよね。そして、『伝え方が9割』には佐々木さんの優しさがあふれている。

佐々木 ありがとうございます。

坪田 ちょっとした伝え方一つで能力を発揮できなかったりとか、人間関係がうまくいかなかったりする人や、いい商品やサービスを作っているのに伝え方がイマイチで魅力が伝わっていない企業などを、何とか手助けしたいと思われているんですよね。そして、その伝え方を皆が簡単に習得できるように体系化された。僕も本質的にそういうことを思い続けてきたので、「すばらしい。本当に勉強になる」と思っていたんです。

 そして、『伝え方が9割』の印税の一部で、カンボジアの学校に図書館を贈るという活動をされていますよね。実は僕、それを参考にさせていただいていて。

「キーマンであるオネエのマリアを描くために、<br />新宿二丁目にも通ったんですよ」『伝え方が9割』シリーズを読んでいただいた読者の印税で、カンボジアの小学校に図書室が完成しました。ありがとうございます。

佐々木 そうなんですか?

坪田 恵まれない環境にいる子どもたちに、よりさまざまな「言葉」を知ってもらおうという活動をされていて、さらにその輪を広げようと尽力されているのが、すばらしいなと思って。だから、映画『ビリギャル』の原作使用料に関しては、全額寄付しています。

佐々木 すごい!!

坪田 『ビリギャル』は、ある女子高生のサクセスストーリーであるとともに、家族の再生の物語でもあるのですが、一方でこの映画を見て傷つく人もいるんじゃないかと思ったんです。親がいない子ども、身寄りがない子どもも世の中にはたくさんいますから。そういう子どもたちに、「社会はあなたたちのことを、ちゃんと見ているよ」と伝えられたらと。…これは、佐々木さんから教えていただいたものです。

佐々木 いやいや…、でも嬉しいです。

坪田 以前の対談で、『伝え方が9割』は普遍的だから、世界中で売れますよという話をさせていただいたと思うのですが、それが現実化して、中国ですでに20万部売れているという。嬉しいのと同時に、「売れるのは当然だよな」って思いました。

佐々木 恐縮です。