何気ない会話ができる人は、コミュニケーション能力の高い人と評価される。
しかし、人に話しかけるのはどちらかと言うと苦手という人は多い。
特に苦手意識を持つ人が多いのは、自分から「声をかける」という行為。
顔見知りとすれ違った、エレベーターで偶然他部署の上司と2人きりに。
何を言えばいいのかと戸惑っているうちに、相手が通り過ぎてしまった、
エレベーターが1階に到着してしまった……なんてことも。
そうならないための、声かけのコツとは?
顔見知り程度のちょっとした知り合い、同じ場に居合わせた知らない人、
どんな相手とも気兼ねなく話ができる、「最初の一声」とは?

たった1秒で相手の警戒心を解く「声かけ」の技術雑談の最初のステップは「声かけ」から! Photo:milatas-Fotolia.com

最初のひと言が出てこないから
話せない

 雑談の基本は次の3ステップで構成されています。

ステップ1 声をかける → ステップ2 話す → ステップ3 別れる

 この3ステップが雑談の「基本型」です。
 この基本型の最初が、声をかけるという行為。
 この「声かけ」が苦手だから雑談が苦手……という人はたくさんいます。

 ここでは、「声かけ」のやり方についてお伝えします。

「声をかける」とは、相手の警戒心を解く最初のステップとなります。
 雑談をはじめるきっかけとなる「声かけ」は、簡単なようで案外難しいものです。

 エレベーターに乗り合わせる、駅のホームやバス停に居合わせる、電車やバスで相席になるなど、話さなくても問題はないけれど、黙っているのも気づまりを感じるシチュエーションはさまざま。

 そこでいざ雑談をしようと思っても、最初のひと言が出てこない。
 何を話せばいいかわからない。
 さて、どうすればいいのか――。
 いちばんベーシックなきっかけは、やはり「あいさつ」です。
「あいさつ」に勝る声かけはありません。

 朝の通勤時なら「おはようございます」
 日中なら「こんにちは」初対面なら「初めまして」
 同じ会社の人なら「おつかれさまです」
 取引先の人なら「お久しぶりです」などなど。

 こうした誰でもできる、いや、誰もができて当たり前のあいさつは、雑談のきっかけの基本になります。

 では、急いで道を歩いているときにすれ違った相手には、何と声をかければいいのでしょうか。
 足早に去っていく相手に対し、ゆっくりあいさつする間はありません。

 また、愛想がよくない相手、年上なのか年下なのか不明な相手、あいさつをしにくい相手に対し、どのようなあいさつが適しているのでしょうか。