大災害で停電が起きても恐れるに足らず!?<br />手軽に使える「自然エネルギー型ガジェット」のススメIKEAの太陽光蓄電式ワークランプ「スッナン」は明るさも充分。防災グッズとして充分に活用できそうだ。

 東日本大震災によって、多くの国民が痛感したのは、「電力がないと生活が成り立たなくなる」という厳然たる事実である。計画停電というかつて経験したことがない課題も抱え、その思いは強くなる一方だ。受け身の電力頼み一本ではなく、少しでもいいから自分なりのセーフティネットを用意できないものか。そんな思いを抱く人も少なくないだろう。

 そこで、太陽光や風力など、自然エネルギーを活用できるガジェット(道具)を紹介したい。太陽光発電というと、屋根に付けたりする大げさな太陽光パネルを思い浮かべる人も多いかもしれないが、コンパクトでリーズナブルな製品が意外と世に出回っているのである。

 たとえば、スウェーデンの家具大手IKEAが販売するデスク用の太陽光蓄電ワークランプ「スッナン」(1990円、在庫要確認)。取り外し可能なソーラーパネルを、晴天時なら屋外に9~12時間、曇天時でも12時間以上出しておけばフル充電となり、本体に装着すれば約3時間点灯するという優れものだ。1つ買うと、同じものがユニセフなどを通じて発展途上国の子どもたちに寄付されるという、エシカル(道徳的な)商品でもある。

 余談だが、実は筆者は震災前に興味本位でこれを購入しており、夜間の計画停電の際に早速役に立った。このことを高齢の母と義父に話すと、非常にウケが良く、「早速自分たち用に購入してくれ」と頼まれた。高齢者は、次世代のことをよく考えており、地球環境保護や自然エネルギーに関心が高い。自然エネルギー型ガジェットは、意外にこの年齢層の「備え」として、普及する可能性があることを、思いがけず知ることとなった。

 あるいは、太陽光だけでなく、風力が利用できる充電器も頼りになるだろう。東急ハンズのオンラインショップ「ハンズネット」で販売されている「HYmini」(8990円、在庫要確認)は、ソーラーパネルによる充電のほか、プロペラを備えた風力タービンによって、風速毎時9m以上で蓄電が開始される。

 腕に付けてジョギングしたり、バイクや自転車のハンドルに装着して運転することで、自動的に充電できるというわけだ。また、手動式ミニハンドクランク発電機も付き、手回しによる蓄電も可能。付属のアダプタでiPhoneや携帯電話に接続すれば、非常用の通信手段は確保できる。

 一方で、米国の太陽光関連ギアメーカー「Voltaic」は、ソーラーパネルを備えたバックパックやノートパソコンバックを販売している。バックパックは4~5時間太陽に当てれば携帯電話をフル充電できる電力量を確保できる。

 ノートパソコンバックは5時間の直射日光でフル充電され、最大3時間45分ノートパソコンを稼働させられる。製品は、日本の輸入代理店である「AC GEARS JAPAN」「Voltaic」のネットショップで購入できる(Voltaicの場合、バックパック199ドル+送料、ノートパソコンバック499ドル+送料。在庫要確認)。

 最近、計画停電の備えとして小型ソーラー発電機の人気が高まるなど、世の中はちょっとした太陽光発電ブームになっている。手軽に購入できる自然エネルギー型ガジェットは、今後もしばらく注目を集めそうだ。

(大来 俊)