プロ野球は12日に開幕した。Jリーグは今週末の23日に再開する。大震災のショックが癒えたわけではないが、スポーツ界は平常営業に戻るわけだ。

 しかし、大地震→原発事故と続いたアクシデントにより、いくつかの誤算が生じている。

期待の先発候補が、点取り屋が…
チーム補強に大きな誤算

 まず余震や原発事故による放射能拡散への恐怖で何人かの外国人選手が離脱したことだ。プロ野球では巨人のバニスターと横浜のリーチ。震災直後に帰国したが再来日せず、そのまま退団になりそうだ。どちらも新入団の投手で先発候補として期待されていた。巨人も横浜もまずまずの滑り出しを見せたが、今季は過密日程になることが確実。計算していた投の助っ人が欠けるのは痛いはずだ。

 Jリーグは新潟のMFジョン・パウロ、横浜FマリノスのFWバティスティアーニ、山形のDFウーゴ、仙台のFWマルキーニョスが退団となった。

 中でも大きな誤算を招いてしまったのは今季躍進の切り札としてマルキーニョスを獲得した仙台だ。マルキーニョスは2001年の東京ヴェルディを皮切りに横浜Fマリノス、市原、清水、鹿島と10年間で5つのクラブを渡り歩き、点取り屋として活躍した。リーグ戦の通算成績は230試合出場で109得点。このゴール数は歴代4位にランクされる。高い個人技とスピード、どん欲にゴールに狙う姿勢を併せ持ち、得点を量産。とくに鹿島に在籍した4年間ではリーグ優勝3回、天皇杯優勝2回の原動力となった。

 仙台は昨年2度目のJ1昇格を果たした。開幕から第5節までは3勝1敗1分で3位と好調だったが、その後負けが込んで14位に。最終節までJ2降格の危機から脱せないギリギリの戦いをしたため、ゴールが計算できるマルキーニョスを補強した。

 仙台は今季に向け、元日本代表FWでJ1通算101ゴールの柳沢敦(鹿島―セリエA―鹿島―京都)も獲得。攻撃の2枚看板を擁し、J1残留どころか優勝争いに加わろうと意欲的だっただけに、その1枚が消えるのは痛い。