今回の大震災において、深刻な問題の1つになっているのが電力の不足だ。とりわけ、消費電力が急増する夏場に向けては、政府と産業界が、法人など大口需要家のピークタイムの電力使用量を、前年比25%削減するという水準で調整を進めている。

 4月18日には、金融庁が証券業界に対して、7~9月のオフィスのエアコン設定温度をなんと「最低30度以上」にするよう促したことが明るみになった。30度という気温は、いわゆる「真夏日」と呼称される暑さ。室温が30度以上という状態になれば、オフィスがうだるような環境になってしまうのは必至だ。証券業界は早くも戦々恐々としているようだが、それでは業務に支障をきたさないか、心配も大きい。

 これら夏対策の一環として、ソニーはサマータイム(夏時間)を導入することを早々に表明した。オフィスの就業時間を独自に早めるものだが、かつてのオイルショック時、多くのビジネスマンが寝不足に陥るなど、悪名も高いサマータイム。日本のビジネス文化にマッチするかどうか、依然疑問視する声も大きい。

 そんな今、注目したいのが「節電貯金」だ。財団法人省エネルギーセンターでは、「家庭の省エネ大事典2011年版」を発表しているが、この中で「どんな節電」をすれば「年間でいくらお得になるか」が、具体的に紹介されているのだ。

 たとえば……。

【エアコン】

 ・夏の冷房時(外気31℃)、室温を28℃に設定(1日9時間使用)……670円
  ・フィルターを月に1~2度掃除する……700円

【照明器具】

 ・白熱電球を省エネ型・電球型蛍光ランプにとり換える……1850円

【冷蔵庫】

 ・設定温度を「強」→「中」にする……1360円
  ・ものを詰め込みすぎない。半分を目安にする……960円
  ・壁から適度な間隔をとって設置する……990円

【テレビ】

 ・見ないときはこまめに消す(1日1時間テレビ視聴を減らす)……700円

【パソコン】

 ・使わないときは電源を切る(デスクトップ型)……690円

【温水洗浄便座】

 ・使わないときはフタを閉める……770円

 ※以上、財団法人省エネルギーセンター「家庭の省エネ大事典2011年版」より

 いかがだろう。このように具体的な節約料金(年間)を示すことで、より説得力を持って節電の重要さが実感できるだろう。そして、節約できたぶんは、せっかくだからぜひとも貯金に回したい。節電できる上に貯金もできて、一石二鳥となるはずだ。

 来たる今年の夏、今から「暑さをどう乗り切るのか?」と不安に怯えるのではなく、積極的に暑さを受け入れて、節電に貢献してみてはいかがだろう。そして国民全員がこの意識を持ち、実行することができれば、懸念される全国的な電力不足も確実に回避できるはずだ。

(田島 薫)