武田薬品がR&D部門を人員削減、外国人幹部が指摘する低生産性大幅な変革が断行される武田薬品工業湘南研究所

「事業の選択と集中」の名の下、世界的にR&D(研究開発)体制を見直し中の国内製薬最大手、武田薬品工業。日本における変革の具体的な内容が、続々と明らかになってきた。

 目を引くのが人員合理化だ。世界で医薬品開発業務受託ビジネスを展開する米PRAと折半出資で合弁会社を2017年度第1四半期までに設立し、武田の開発部門から約140人が転籍。また原薬や製剤の設計などを担う部門の一部を医薬品・治験薬受託製造専門の武州製薬に売却し、研究者約200人が転籍する。

 クリストフ・ウェバー社長CEOが「業界をリードするイノベーティブな製薬企業を目指す故、常に10年以上先の将来を見据えている」として見直しを発表したのは16年7月。変革費用に約750億円投じ、年約180億円のコスト削減を見込む。

 ウェバー社長CEOは今年2月1日、16年度第3四半期のカンファレンスコールで「変革は予想より早く進んでおり順調」と話し、来年度に予定していた変革費用から約70億円の前倒しを表明した。しかし武田からこれまでに国内変革の具体的な発表はほとんどなく、「起業家的ビジネスモデルやパートナーシップにより多くの従業員に新たな機会を提供し、会社ニーズとも合致するよりよい方策を検討」などと説明していた。