オネエ大活躍のテレビ番組はLGBT理解に寄与するか

“テレビ”ほど、あらゆる種類の登場人物(出演者)にあふれたメディアはない。

 まさに、多様性(ダイバーシティ)の集合体――それがテレビ番組の存在価値であり、コンテンツの魅力かもしれない。しかし一方で、「テレビの力が弱くなった」とも言われ続けている。

 いまさら語るまでもないが、その要因のひとつは、ネット系メディアがもたらした日本人のライフスタイルの変化だ。携帯電話やパソコンをツールにしたSNS(ブログ・ツイッター・フェイスブック・インスタグラム…)の活用で、消費者はテレビを視聴する“受動的行為”より、自ら何かを発信する、また、「検索」で何かを見つける“能動的行為”を盛んに取るようになった。

 民放キー局は、リモコン(dボタン)を介した双方向の番組を制作したり、公式テレビポータルサイト(TVer)を展開するなど、どうにかして、生活者をテレビのコンテンツに向き合わせようとしている。そうした状況を、かつて、ビジネス誌である「週刊ダイヤモンド」は、「新聞・テレビ断末魔」と銘打ち、特集したが、それでもやはり、テレビの力はいまだに強い。

 たとえば、連続ドラマの視聴率や番組内のタレントの言動はネットユーザーにつぶさに拾われ、ネット掲示板やSNS、ネットニュースで四六時中ネタにされている。

 コンテンツの強弱は、メディア自体の強弱とは必ずしもイコールの関係にはないのだ。