LGBT、外国人、障がい者に企業トップは率先して向き合うべきだ

LGBT・外国人・女性雇用促進…企業のダイバーシティへの取り組みが注目されている。しかし、大手人材派遣会社の調査では、取り組みに積極的とは言えない企業がまだまだ多数だ。多くの企業のコンサルティングを行っている人事系コンサル、(株)アクティブ アンド カンパニーの大野順也代表取締役社長兼CEOに、その現状と今後を訊いた。(聞き手/オリイジン編集部)

――企業の経営戦略、人事戦略として、10年ほど前から「ダイバーシティ」が注目されています。人材コンサルティングの専門家として、どのように見ていらっしゃいますか?

 そもそも日本は島国なので、欧米企業ほど従業員の人種や国籍、宗教の違いが問題になっていたわけではありません。

 日本企業で「ダイバーシティ」と言うと、これまで、まずは女性の社会進出にフォーカスし、結婚・出産・育児をどう支援するかという対応が中心でした。

 もちろん、女性の社会進出も当初は大変だったと思います。

 男性中心の企業社会で、女性は結婚したら家庭に入るのが普通であり、仕事を続けるとしてもパートが一般的でした。それを人材派遣やテンポラリーワークのような労働形態で崩していき、現在では、結婚、出産を経ても普通に正社員として働けるようになっています。女性の社会進出は、日本企業における多様性の受け入れの成功事例と言えるかもしれません。

 最近は、障がい者や外国人、LGBTなどの人たちについても雇用環境、就業環境についての枠組みを行政が整え、民間企業も新しい試みに挑戦したり、ビジネスにしたり、いろいろと取り組んでいる事例も多く見受けられます。