高砂福祉会は、千葉・茨城・東京・北海道で27施設の保育園と学童を運営する業界でも注目の社会福祉法人。その躍進のベースには、女性が活躍できる環境がある。

勤務する園に2人、3人と子どもを預けながら仕事を続ける保育士も多い

 高砂福祉会は職員数635人、園児数約2500人に及ぶ。設立は1970年で、「産休明け保育」の松戸市(千葉県)認可第1号として産声を上げた。子どもたちには「最善の利益」、保護者には「安心して頂ける質の高い保育と教育」の提供を目指し、積極的に事業を拡大してきた。現在は、各施設とも入園待ちの長い列ができるほど高い人気を誇っている。

スケールメリット生かし、
働きやすい職場を提供

篠塚弘子 副理事長

 職員は保育士や栄養士、看護師や事務員で、女性が9割以上を占める。いうなれば女性の活躍が必然的に求められる職場であり、早い段階から女性が働きやすい環境づくりに取り組んできた。先駆的に産前産後の休暇を就業規則の中で確保し、復帰後も育児時間を考慮して早番・遅番のシフトを免除するなど、職場内での柔軟な調整を行っている。

 篠塚弘子副理事長は、「私自身が3人の子どもを保育園に預けて働いてきた人間で、女性が働きやすい職場の重要性を人一倍感じています。園側としても、経験豊かな職員に辞められてしまうのは大きな損失。一つの園だけだと調整は難しいのですが、当法人には600人以上の職員がいるので、他園への異動を含めて勤務体制の凸凹を吸収できます。スケールメリットを生かした運営が、女性活躍を推進する上での強みになっています」。

文化と教養の発信地としてワクワクできる場所を目指す

 高砂福祉会のもう一つの特徴は、保育業界では珍しい「ISO9001(品質マネジメントシステム)」を導入していること。保育と教育の共通ルール(共通言語)が記された“手順書”と“品質マニュアル”を作成し、全職員に徹底させている。

 「全園均一の質の高い保育が実現できているのは、私たちの長年のノウハウが詰まったこのマニュアルが骨格になっているからです。スプーンの持ち方から感染症の予防まで全てが網羅されており、園長といえども主観で判断しないシステムになっています」

 このマニュアルを実践するため、各種の研修も積極的に行われている。リーダーや主任を経て園長へ至るキャリアアップの道筋も明確に示し、職員に働き続ける動機を与えている。「園自体が楽しく明るいことが最も大事」と語る篠塚副理事長。結婚・出産を経ても生き生きと働き続ける先輩ロールモデルの存在は、優秀な人材確保にも役立っている。

問い合わせ先
高砂福祉会
http://www.tksg.ed.jp/