結婚したらお金のこと、ふたり一緒に真剣に取り組もう 
貯金1億円も夢じゃない

 銀座の宝石店で働く友人が、震災の後、震災前以上に忙しくなったと言う。彼女の担当は婚約指輪とブライダル・リング。これらを買い求めるカップルが以前よりずっと増えたらしい。ただし単価は下がっているから、忙しくなったのに儲からないとこぼしていた。

 震災は若いカップルの意識を変えたらしい。

 命がはかないこと、限りがあることに思い至った。

 そこで、今の恋人とだらだら付き合い続けるのではなく、結婚するか別れるか、決断する女性・男性が増えたようなのだ。

 これからの人生を、パートナーと協力して築いていくと決め、一歩踏み出したカップルに拍手を送り、応援したい。

 しかし、結婚生活は甘い砂糖菓子じゃない。いろいろな現実に直面する。お金のこともその一つだ。

・独身のときは、お金のこともまったく気楽だ。
・自分で稼いだお金を全部自分のために使うことができる。
・気の合う友人と毎晩飲みに行ったし、食費を削っても趣味につぎ込める。
・服や化粧品、エステや海外旅行に好きなだけ使うことができる。
・給料日前に財布が空でも平気だ。
・気軽にカードローンを借りた人もいるだろう。

 結婚すると話は違う。お金は自分のためだけじゃない。

 ふたりで気持ちよく暮らしていきたいと考えるようになる。

 前は家のことなんて考えなかったが、自分たちにぴったりの快適な住まいが欲しくなる。

 生まれてくる(すでに生まれている)愛しい命のためにも、いろんな備えをしてあげたくなる。

 そのためには、今まで通りに行きあたりばったりでは、だめだ。無計画ではお金はどこかに消えていくだけで何も実現できない。それどころか、トラブルに巻き込まれることだってある。

 自分とパートナーのため、家族のために、お金のポイントを押さえて、やるべきことを実行しよう。ちょっと努力がいるけれど、基本は簡単だ。

 一緒に人生のハードルをひとつずつ越えて行き、夢をひとつずつ形にする。この充実感を味わえるのは、結婚したふたりの特権だ。

 結婚してすぐのカップルは、暮らしも財産も大差はない。ところが5年、10年、20年と経つうちに歴然と差が開いてくる。夢をひとつずつ積み上げていくカップルと、何年経っても何も変わらないカップルに。

 あなたはどちらになりたい? 夢を実現していきたいなら、今すぐ、行動を起こすことだ。早ければ早いほどいい。

 もう結婚○年も経っているカップルもいるかもしれない。でも、動き出せば大丈夫、十分間に合う。

 さあ、ふたりで手を取って、一緒に踏み出そう。

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中村芳子 [ファイナンシャル・プランナー]

有限会社 アルファ アンド アソシエイツ代表取締役。
1986年よりFP業に携わる日本のFPの草分け。 女性FP協会(現WAFP関東)の設立者の一人、初代理事長。
1991年に会社を設立。パーソナル・コンサルティング、金融記事の執筆、金融企画のアドバイスなどを行っている。20代30代のマネー啓蒙に特に力を入れている。
マネックス証券創業時より7年間アドバイザーをつとめる。みずほ銀行の夫婦向けマネーサイト「おうちのおかね」を監修。
著書は、ベストセラーの『20代のいま、やっておくべきお金のこと』ほか多数。