職場で「えこひいきされる人」を毛嫌いしてはいけない理由

上司に見え見えのお世辞を述べる人が出世するなど、職場で「えこひいきされる人」は目立つものだ。しかし、こういった人を毛嫌いしてはいけない。会社という組織は学校とは異なり、明確な評価基準がない。実績だけではなく、気配りや立ち回りが、その人の評価を大きく変えることが多々あるものだ。どうせなら、「えこひいきされる人」から学び、えこひいきされる人になるべきだ。(営業サポート・コンサルティング代表取締役、営業コンサルタント 菊原智明)

えこひいきされる人、
嫌われる人

 会社での貢献度は悪くないし、ノルマも達成している。コミュニケーションも積極的に取っている方だ。なのに、上司からランチに誘われることもなければ、キーマンたちが集まる飲み会に誘われることもない。出世も遅れている。

 なんとも悔しい……。

 そんな中、自分と実力が同じように同僚がなぜか社内の評価が高い。常に一目置かれ、何より自分より先に出世しているではないか。

「どう見てもえこひいきだ!」と叫びたくなる、といった経験がないだろうか?

 そんな思いをしている方も「アイツばかりいい思いをしやがって……」と愚痴をこぼす前に"もしかしたら自分自身に原因があるのでは"と考えてみてほしい。思いもしなかった些細な行為で損をしているのかもしれないのだ。

 ここで“何気ない雑談が敵をつくる原因となっている”という事例をご紹介しよう。

 私のハウスメーカー営業マン時代のことだ。勤務していた営業所は店長とパートの女性、そして営業マンが7人在籍していた。パート女性の仕事は、主に7人の営業マンのサポートである。本来は平等にサポートしてくれるはずなのだが、なぜか、一人の先輩だけが「えこひいき」されていたのだ。