初対面の人に会ったとき、外見から何となくその相手を判断しませんか?
「年齢はどのくらいか、どんな仕事なのか、頭は良さそうか、清潔なのか、どんな育ちなのか……」。実は、人間は相手からの自己紹介よりも、「自分が感じ取った全体の印象を信用する」ことが分かっています。
ビジネスでの服装は、ただの「おしゃれ」だけでなく、「まず自分の話を聞いてもらえるかどうか」に直結します。「服のことを知っているかどうか」は、仕事を左右するのです。
その上、スーツはアイテムが少ないので、覚えるべきことは実はそんなにありません。
5月25日に発売される『ビジネスという勝負の場は一瞬、しかも服で決まる』から、どんな場合でも、ビシッとスーツが着られるようになるルールについてお知らせします。

黒いスーツは着ない

学生の就職活動のスーツが黒になったのは、10年ほど前だったと記憶しています。最近では黒いスーツを着る日本人ビジネスパーソンがとても増えている印象があります。

ただ、ひとつ知っておいていただきたいのは、欧米では黒いスーツを着ることはまずない、ということです。政治の世界でももちろん着ません。
アメリカの大統領や日本の総理大臣が、黒いスーツを着ているのを、見たことがないでしょう。
理由はシンプルで、黒い服は冠婚葬祭のためだから。
タキシードしかり、喪服しかり。
だから特に、海外に行くときには、紺やグレーのスーツを持っていってください。

黒いスーツを着ている人は多いですが、間違いです。
多いからといって購入せず、自分の知識を大切にしてください。

スーツは、紺かグレーだけ

スーツは紺かグレーにしましょう。
スーツで選ぶべき色はこの2色です。

「黒いスーツ」を着るのは間違い!

茶色やツイードのスーツもありますが、茶色はビジネスにはふさわしくない色で、ダサく、老けて見えます。また、ツイードは、貴族が別荘や郊外などに遊びに行ったオフの時に着たもの。
両方とも都会的、スタイリッシュな印象が薄くなります。

オフでお洒落をしたい人、こだわりたい人がチャレンジするのはいいと思いますが、ビジネスシーンでは考えないほうがいいと思います。

また、スーツのボタンは2つボタンのものにしましょう。

他に3つボタン、ダブルなどもありますが、これらは少し古く、ゴテゴテした印象になります。
最近の、体にフィットしたダブルも、派手な印象で職業を選んでしまいます。
2つボタンは、スマートで清潔感がある文句のつけようがない装いです。

また、よく言われるのが、スーツのシルエット。一昔前まではブリティッシュ、イタリアン、アメリカンと3つの型があると言われていましたが、これは、特に意識しなくても大丈夫です。
ほとんどのスーツがイタリアンテイストになってきているからです。
アメリカのブランドだから、イギリスのブランドだから、という特徴的な違いは薄まりつつあります。