かつて、チョコレートはニキビや鼻血の原因になるという俗説が信じられていたが、もはやそれは古い常識。近年は消費者の健康志向の高まりによって、カカオポリフェノールの健康効果が注目を集め、“2度目”の大きなハイカカオチョコレートブームが起こっている。(清談社・森江利子)

好調のチョコレート市場
キーワードは「ハイカカオ」

ハイカカオチョコブーム、業界を挙げた20年越しの努力が実る本来はライバルである菓子メーカー同士が連携しあい、チョコレートとカカオの健康効果の発信や研究開発を行ってきた

 カカオ豆に含まれる「カカオポリフェノール」は、美容や健康に高い効果が期待されるといわれている。ここ数年、カカオの含有率が70%以上の「ハイカカオチョコレート」商品が人気となっており、菓子メーカー各社もこぞって商品を展開している。

 たとえば昨年10月にはロッテ「スイーツデイズ おいしいハイカカオ74%<エクアドル&ガーナ>」が発売。さらに今年3月には日清シスコの「チョコフレーク」シリーズにも、カカオ73%配合の「ハイカカオチョコフレーク」が登場した。また、森永製菓の「カレ・ド・ショコラ カカオ88」は、その名の通りカカオ含有率が88%とより高くなっている。

 多種多様なハイカカオチョコレート製品が発売されており、売り場は活況を呈している。こうしたバリエーションの豊富さも魅力のひとつだ。

「ハイカカオチョコレートがここまで一般化し、スーパーやコンビニの定番商品になったのは、ここ数年のことです」。こう話すのは、日本チョコレート・ココア協会の藤田康子さん。

「1998年には明治から『チョコレート効果』、2003年には森永製菓から『カレ・ド・ショコラ』が発売されており、カカオの抗酸化作用による美容効果やダイエット効果を期待した若い女性を中心に注目を集めた時期もありましたが、そのブームは小規模に終わり、長くは続きませんでした」(藤田さん)