動脈硬化症は、動脈壁にコレステロールが沈着して壁の弾力性が衰え、もろくなる疾患。発症は中年以後に多く、血流障害を伴い、進行すると動脈瘤ができます。最悪の場合は瘤が破裂して死に至ることもある怖い病気です。動脈硬化を防ぐには、日々の運動と、食事に野菜を取り入れることが欠かせません。

 野菜は、食物繊維が豊富で腸からの脂肪の吸収を防ぐアブラナ科のブロッコリー、キャベツ、ケールなどがおすすめ。小松菜に含まれるアミノ酸は、コレステロールを排出する胆汁酸に働き、コレステロールの蓄積を抑えるといわれています。ビタミンEや、野菜、果物に含まれるポリフェノールはコレステロールの酸化を防ぎ、大豆製品に含まれるレシチン、大豆サポニンは、血管壁にコレステロールが付着するのを防ぎます。また、血栓を防ぐには、青魚に多く含まれる不飽和脂肪酸のEPA、DHAの摂取が効果的。

 最近では、食べ方も重要といわれています。まず箸をつけるのは、色の濃い野菜、根菜類、きのこ類、海藻類など。主菜は貝類、青背の魚を中心に、大豆製品も取り入れて。サラダのドレッシングは、不飽和脂肪酸のオレイン酸(コレステロールを下げる働きがある)が豊富なオリーブ油を使って。脂身の多い肉類、チーズ、バターなどの乳製品は極力減らしますが、無理なら、食事の前に青汁、無添加野菜ジュース、トマト、納豆などを食べるようにしましょう。

 さらに、毎日20~30分歩くなど、運動を続けることも大切です。

コレステロールの蓄積を減らし<br />動脈硬化を防ぐ食物繊維の豊富なキクラゲと高血栓作用のあるセロリをキンピラ風に
撮影/中川真理子

●動脈硬化を予防する セロリとキクラゲのキンピラ風
 
材料(2人分):
セロリ1本、乾燥キクラゲ5g、赤唐辛子1本、オリーブ油大さじ1強、酒大さじ1、醤油小さじ1、塩小さじ1/4
 
作り方:
①乾燥キクラゲは水で戻して硬い部分を取る。セロリは茎を縦半分、根元を3~4等分して斜め薄切りに。
②オリーブ油でセロリを炒め、色が鮮やかになったらキクラゲを加えて炒め、キクラゲがパチパチ跳ねたら小口切りした赤唐辛子を加えて炒める。
③酒、塩を加えて混ぜ合わせ、醤油を回しかけて混ぜる。