スマートフォンって楽しいの?

 スマートフォンが売れている。6月20日~26日の販売ランキングでは、上位10位のうち7位までがスマートフォンだった(GfK Japan調べ)。すでにここ数週間はこうした傾向にあり、各社とも出荷の中心はスマートフォンにシフトした格好だ。

 なにしろ、NTTドコモは今年度中に600万台、KDDIは400万台のスマートフォンを販売する計画である。一時は東日本大震災による生産への影響も心配されたが、海外ベンダーからの調達積み増しもあり、達成可能と見込んでいるようである。

 両社いずれも、年間出荷台数の半数近くの数字である。今後はさらにラインナップを拡充させることになろう。そして、ケータイの買い替えサイクルを2年強と勘案すれば、あと3-4年もすれば市場の大半がスマートフォンで占められることになる。

 ところで最近、こんな質問を耳にすることが、増えてきた。

 「スマートフォンって、一体何が楽しいの?」

 スマートフォンの拡大に水を差したいのではない。むしろこれは、本格的な普及期を迎えたサインだと見るべきだろう。アーリーアダプター(初期採用者)からマジョリティ(追随者)へ、キャズム(溝)を超えて市場が動きつつあるということだ。

 何の気なしに量販店に出かけたら、一番安いケータイはスマートフォンだった。しかしこれまで自分が知っていた世界とはまったく別物のように見える。さてこれは一体何だろう――。従来のフィーチャーフォン(いわゆるガラケー)利用者によって発せられたそんな声が、市場の広がりと共に、目立つようになってきたのである。

スマートフォンとパソコンの類似性

 すでにスマートフォンを使いこなしている人からすれば、何を戸惑っているのかが分からないかもしれない。実際iPhone登場時には、戸惑いよりも歓迎の声の方が大きかったはずだ。一体この違いはどこから来るのだろうか。