仮想通貨バブルは金融の「創造的破壊」への期待で膨らんだ

 多くの仮想通貨の対ドル交換レート(価値)が急騰し、バブルとの指摘も増えている。激しい値動きに魅かれ、日本でも多くの個人投資家が「ビットコイン投資」をしているようだ。ただ、相場の高騰が永久に続くことはない。仮想通貨の値上がりはどこかでピークをつけ、下落することになる。だが仮想通貨が社会全体のイノベーションを進める可能性を考えれば、取引や利用は増え続けるだろう。

仮想通貨バブルの発生
数ヵ月で数十倍に値上がり

 4月以降、多くの仮想通貨の価値が急騰し、バブルの様相を呈している。中には、ライトコインのように価値が数ヵ月間で数十倍も上昇したものもある。

 バブルが発生するためには、カネ余りに加え、誰もが信じる成長神話のようなものが欠かせない。足元、世界経済を見渡すと、歴史的な低金利環境の中で多くの投資家が先行きに対する警戒感を低下させる一方で、有利な投資先を探している。それが、仮想通貨への資金流入を支えている。

 相場の高騰につられ、個人投資家も仮想通貨の取引を積極的に行っている。

「ドル高」が予想されながらドルの上値がなかなか高くならないなど、、為替相場が膠着状態にあるのを考えると、値動きの激しい仮想通貨は、短期間での利得確保を狙うにはうってつけと、映りやすい。

 発展の初期段階にある仮想通貨市場は、取引量はまだ少ない。1ビットコインを売買する際、取引所が提示する買値と売値が、1万円程度乖離することもある(このスプレッドは取引所ごとに違う)。もし相場が急落すると、スプレッドが拡大し思わぬ損失に直面する恐れもある。こうしたリスクもあるが、相場が動くので、儲けるチャンスもあるということだろう。