日英で台頭するステルス値上げ <br />シュリンクフレーションの実態筆者が購入したスイス製チョコのトブラローネ。ドイツで買ったもの(上写真)と比べて、ロンドンで買ったものは内容量が少なく、形状もわびしい Photo by Izuru Kato

 6月3日に英ロンドンで、またテロが発生した。5月に出張した際、筆者もちょうど現場近くで食事をしてロンドン橋をぶらぶら歩いた。犠牲者には外国人も多いため、ひとごととは思えない気持ちになった。

 しかし、ロンドン在住の知人に話を聞くと、英国の人々は案外タフで、職場の同僚との会話の中でも大きな動揺は見られないという。

 理由の一つとして、かつてアイルランド関連の爆破テロが相次いだため、肝が据わっている人が多い点が挙げられる。また、急な出来事にもろうばいせず、平常心を保ってユーモアを語る気概を尊ぶ価値観も英国人にはある。今回米紙が「英国人が動揺している」と報じたところ、ツイッター上ではジョークで反論するツイートが大盛り上がりを見せている。

「英国人を動揺させること」というハッシュタグには、トイレットペーパーの向きが逆だった、マクドナルドでミルクシェイクの機械が壊れたと言われた、などのたわいもない話が多く掲載され、それらがテロに屈しない姿勢の表れとなっている。その中に、ネスレのチョコレート缶のサイズが年々小さくなっている、というツイートがあった。値下げされていないとすると、実質的な値上げだ。