いまメディアで話題の「マレーシア大富豪」をご存じだろうか? お名前は小西史彦さん。24歳のときに、無一文で日本を飛び出し、一代で、上場企業を含む約50社の一大企業グループを築き上げた人物。マレーシア国王から民間人として最高位の称号「タンスリ」を授けられた、国民的VIPである。このたび、小西さんがこれまでの人生で培ってきた「最強の人生訓」をまとめた書籍『マレーシア大富豪の教え』が刊行された。本連載では、「お金」「仕事」「信頼」「交渉」「人脈」「幸運」など、100%実話に基づく「最強の人生訓」の一部をご紹介する。

世界は「闘争の場」でもある

 私はたったひとり、徒手空拳でビジネスを始めましたから、常に自分よりはるかに強大な相手とパートナーシップを築く以外に方法はありませんでした。いや、強大な相手とパートナーを組むからこそ成長できるわけです。だから、私はビジネスプランをしっかりと構築したうえで、単身、日本の大企業から中小企業まで臆せず事業提案をするために飛び込んでいきました。

 ただし、ビジネスはお互いの信頼関係をベースに成立するものですが、同時に、お互いのエゴがぶつかり合うことも避けがたいことです。そして、強者が常に優位に立つ。ときに強者は弱者に一方的にアンフェアな要求を突きつけるのです。だからこそ、弱者の立場に立たされないように、企業規模を増強すべく多くの企業が合従連衡(がっしょうれんこう)を繰り返しているわけです。

 ビジネスとは、食うか食われるかという闘争の場でもある。これは否定しようのない現実です。ビジネスで成功するためには、この現実から決して目をそらしてはいけません。