先日、色々な取材のために米国に出張した。その目的のひとつが、携帯電話の利用状況を生で感じることだ。展示会や最新ニュースばかりを追いかけていると、デジタルツールがすさまじく進んでいるように感じるのだが、現場では違う動きをしていることがとても多い。特に携帯電話やパソコンは、報道される最新機器に目がいっても、実物を使っている場面に出会うことはほとんどないのだ。

 今回の目的に、iPhoneを使っている場面を探したかったのだが、4日間チェックをしても、1台たりとも見つけられなかった。確かに話題には事欠かず、売れ行きも順調なようだが、まだ現場にはおりてきていないのだ。

 米国では、スマートフォンが爆発的に普及している。正確に言うなら、アルファベットキーの付いた電話機だ。ビジネスシーンで利用されているのは、当然に思えるが、Tシャツを着た若者が、ショッピングセンターでメールを打っている場面もひんぱんに見かける。

「文章を入力するのにキーボードがないと不便だから」というのが、選択の理由だ。

「多機能ケータイ王国」日本の危機!<br />米国の現状に日本の明日を見た
米国の女性が嬉しそうに見せてくれた端末。小さなボディにアルファベットキーが並ぶのがキュートだという。確かに見た目は可愛いのだが、非常に使いづらそうだ。

 当然と言えば当然だが、極小のキーを打つのはかなり大変だ。とはいえ、キーサイズを大きくすると本体も比例して大きくなり、今度は持ち歩きが不便になってくる。そこで、本体をスライドしてキーボードを使うタイプが魅力的に感じるのだが、実はあまり売れていない。この点を何人かに聞いてみたが、どうやらむき出しのキーが並んでいるのが格好いいと感じているようだ。

 どう考えても押しづらい小さなキーボードの付いた端末は、結果としてダイヤルキーも押しづらいだろうが、あまり意に介していないようである。

日本の携帯電話に
アメリカ人は驚いた!

 日本では、携帯電話の最新機種も結構、見かける。僕は、P905iを使っているのだが、友人知人を含め、同じ機種を数台見かけた。日本人はかなり最新端末好きなのだ。

 とはいえ、米国でもかなりの人が端末に興味を持っており、僕がポケットから取り出して「日本の最新ケータイだ」と言うと、すぐに人垣ができるのがおもしろい。