夏バテの原因の一つに、冷たい食べ物の取り過ぎによる胃腸の機能低下が挙げられます。冷えためん類で食事を済ませることの多い夏は、胃が冷やされて働きが低下するうえに、栄養不足も重なり、倦怠感が抜けません。今回は、胃の働きを活性化する食材と“夏の食べ方”のコツを考えます。

 暑い時期の食べ方として、注意したい組み合わせは「冷たいビールと焼き肉」。消化の悪い肉の脂を、冷たいビールと一緒に取ってしまうと、さらに消化が悪くなります。冷えたビールを飲みたいときは、温かい料理と組み合わせるなど、消化のよさと、胃を冷やさない食べ方が大切。

 また、夏場の発汗でビタミンB1が失われると疲労物質がたまり、胃腸の消化力、吸収能力が衰えます。ビタミンB1を多く含む、豚肉、枝豆、ゴマは、夏に欠かせない食材。特に豚肉は、南国沖縄の郷土食には必ず登場する、夏を乗り切る健康食材です。体の熱を下げる効果もあるので意識して取るようにしましょう。

 食欲がなくなったときは、胃に働いて、食欲を回復させるトマトがおすすめ。なるべく、冷やさずに常温で食べましょう。すりおろしたタマネギのドレッシングをかければ、タマネギとトマトの好相性でビタミンB1の吸収率を高めてくれます。

 それでも気力が出ないと感じるときは、消化のいいお粥やスープを。疲れを取るにはタンパク質が欠かせません。胃腸が元気になったら、カツオ、ウナギ、ドジョウなどを食べて、スタミナを補給することもお忘れなく。

弱りがちな胃腸をバテさせない<br />“夏の食べ方”のコツキュウリと豆腐で熱を取り、赤ピーマンと豚肉、ゴマでビタミン補給
撮影/中川真理子

●夏バテを予防する キュウリと豚肉の白和え風
 
材料(2人分):
豚ロースしゃぶしゃぶ用100g、酒大さじ1、赤ピーマン1個、キュウリ1本、豆腐1/2丁、【A】(すりゴマ大さじ1、オリーブ油大さじ1、塩小さじ1/4、醤油小さじ1、黒こしょう少々)
 
作り方:
①豚肉に酒を振り、ゆでて冷水に取り冷ます。赤ピーマンは千切り、キュウリは斜め薄切りにし、塩少々でもむ。
②豆腐を泡だて器でクリーム状にし、【A】を加え混ぜる。
③①の冷ました豚肉を食べやすい幅に切り、水気を切った野菜と②に加えて混ぜ合わせる。