若い女性たちのファッションに脱帽<br />シルクロードの町・蘭州に押し寄せる消費革命ここはどこか?

 上の写真はどこで撮られたものか、と質問され、もし本稿のタイトルにシルクロードや蘭州といった文字がなければ、読者の皆さんは果たして正解を出せるだろうか。

 8月上旬に仕事でシルクロードの町・蘭州を訪れた。考えてみると、ここ4~5年の私の活動範囲は中国の西部の奥深いところに広がっている。

 1990年代に入って日本でジャーナリストの道を歩み始めたが、香港返還までの1997年まで、取材活動の舞台はほとんど日本、ヨーロッパ、米国だった。たまに中国関連の仕事をしても、香港、マカオ、台湾関連が多かった。追っているテーマも社会的なものが多かった。

 97年の香港返還を境目にして、次第に目を中国本土に向け、興味をもつテーマも経済関連のものへ傾斜していった。2003年頃までは中国の沿海部(東部とも言う)に頻繁に足を運んだ。蘇州、深圳、広州、青島、そして上海、北京など沿海部の都市がほとんどだった。

 03年頃からは、成熟度が増してきた沿海部よりも、これからの町、明日のスターといった都市と地域に関心をもつようになり、足が次第に中国の内陸部へ向かった。湖南省の長沙、四川省の成都、四川省から独立した重慶など、中部または中部に近い西部の都市を観察した。

 その関心の度合いは今でも弱まっていないが、初物好きな性格のせいか、08年の北京五輪を境に足をさらに西へと伸ばした。近年は寧夏回族自治区の銀川、青海省の西寧、甘粛省の蘭州なども私の守備範囲に入れた。

 一方、私の後ろを追ってくる潮を感じた。秋に日本企業の中国視察を企画しているある銀行関係者が、私との打ち合わせで開口一番、「今回は成都を絶対視察対象に入れましょう。もう一カ所提案してほしい」という。成都はもう遠い西部の都市ではなくなりつつあると感じた。