昨年、味もCMも一世を風靡した1988年の発売当初のものに戻して復活を遂げた第一三共ヘルスケアのドリンク剤、リゲイン。 「発売当初のレシピを使った、ピリッとした味」(山本貴史・第一三共ヘルスケア マーケティング部ブランド第一グループ ブランドマネジャー)で、働く若手サラリーマンを呼び戻し、昨年度の売り上げは一昨度年比22%増となった。

 原点回帰で得た勢いを、今年はさらに加速させている。

 6月からシリーズ累計2200万本を売った人気ゲーム「メタルギア・シリーズ」(コナミ)とコラボレーションでプロモーションを開始。新作「メタルギアソリッド4」では、ゲームキャラクターの体力ポイントを回復する重要アイテムとしてリゲインが登場した。

 コラボレーションの成果は、リゲインの製品公式サイトに現れた。そのリゲインサイトに隠れているメタルギアの主人公「スネーク」を7個探せばパソコン用のオリジナル壁紙をもらえるという仕掛けに、メタルギアファンが殺到した。特別な告知をしなかったにもかかわらず、アクセス数が「普段は月間7万~8万ページビューのところ、120万ページビューに達した」(山本氏)という。15倍超に跳ね上がった勢いも凄いが、120万ページビューは企業の製品紹介サイトとしては驚異的なレベルだ。

 スネークを探すために、製品ページを一人当たり平均で30回もクリックして製品を見るというから広告効果は絶大だ。いかに企業ウェブサイトの効果を上げるかに腐心している担当者にとってはうらやましいかぎりだろう。

 6月~7月にかけては、コンビニエンスストアで「首かけ」キャンペーンを実施した。ゲームのキャラクターをあしらった携帯ストラップなど4種類のオマケをお目当てに、30歳前後のファンによる“大人買い”需要が爆発。店頭から商品が消え去る店も続出して、リゲイン販売元の第一三共ヘルスケアには「どこで買えるのか」という問い合わせが殺到した。

 その結果、キャンペーン中のコンビニでの売り上げは、対前年比で2倍にも達した。通常の商品の首かけキャンペーンでは20%程度の売り上げ増だ。メタルギアファンの執念たるや恐るべしである。

 9月23日には、リゲインの新製品導入にあわせて、再びコンビニでの首かけキャンペーンが計画されている。柳の下にメタルギアファンは山ほどいるとばかりに、リゲインのゲームコラボは白熱するのである。

(『週刊ダイヤモンド』編集部 佐藤寛久)