体調を崩して、何日か休んだムラタくん。しかし、彼の思索は深く、広く、そして明後日の方向、否、未来へ。今週は写真もなく、ショートバージョンですが、よろしくお願いします。
 

本当の孤独は群衆の中で

 夏風邪は馬鹿が引く。ということで、夏風邪を引いた。先週は月曜日と木曜日の2日間も会社を休んでしまい、予想外に家で引きこもり生活をするハメに。体調を崩してしまったときほど、独身の儚さを感じることはない。

 打ち合わせでお会いした妻帯者の方に「風邪引いて辛いときは結婚っていいなと思っちゃいますよね」と話したら、「結婚したら、風邪引いてなくても一緒にいなくちゃいけないんですよ」と非常に深みのあるお言葉を頂戴した。……そこまで考えていなかった。

 結婚で思い出したが、先日お話しさせていただいた心理学の先生から「人の好みは後付けされる」という話を聞いた。その検証実験についての記事があったので紹介する。

 男性被験者に2人の女性の顔写真を見せ、より魅力的だと思うほうを選ばせた。被験者が写真を選択した後、研究者たちは、あるいたずらを仕掛けた。トランプ手品の技を使って、選んだ写真を、もう一方の写真とすり替えたのだ。その直後に、写真をより近くで見せられたとき、それが自分の選んだ写真と違うことに気付いた人は3割以下だった。つまり、目で見たときには好みがあるかもしれないが、心がそれを覚えているとは限らないのだ。
(「こだわり」は実は曖昧:知覚と「選択盲」の実験: WIRED.jp)

 実は、この実験には続きがあって、自分が選んでいない女性の写真だということに気付かないだけではなく、「その女性のどこに魅力を感じましたか?」という質問をすると、男性被験者はそれらしき理由をスラスラと語ったという。人間の脳がいかに都合良くできているか。ちなみに、リンク先の記事でも紹介されているが、この結果は味覚でも証明されているものだ。