「仕事で燃え尽きない」体づくりに欠かせない2つの視点夜の残業

社員が“燃え尽きない”ための
体づくりの方法とは

 社員の健康を考えた経営を行う「健康経営」が注目される中で、私のところには企業の食事研修のご依頼が増えています。「栄養士が企業で研修って、何を話すの?」とよく聞かれますし、“健康経営”という言葉もよく分からない、というのが一般的な感覚かもしれません。

 実際、日本人なら誰もが知っているような「給料も福利厚生もお休みも言うことなし!」の大企業に20年勤める友人でも、勤続20年の間に健康系のセミナーが開かれた記憶はないとのことでした。

「働き方改革」の流れに乗って、これまでは自己管理の範疇だった「個人の健康」を会社ぐるみで考える時代に変わってきたということですが、まだ「当たり前の常識」にはなっていません。そこで本連載の最後に、「社員が燃え尽きないための体づくりの方法」と、「人事総務としてそれをどうサポートできるのか」を考えたいと思います。

 社員が「燃え尽きない」というのは、「長期間働くことができる」とも言い換えられます。そのために必要な視点はシンプルで、(1)生活習慣病を防ぐ、(2)体力を保てる環境作りという、たった2つです。ただし、いずれも一朝一夕で実現するものではありません。そして、社員本人の意識と努力だけでなく、人事総務がサポートできる部分があります。特に(2)は人事総務が率先して提案できる課題です。

(1)はさらに、「適正体重を保つ」「良質な睡眠をとる」「ストレス対策を行う」の3つの手段に分けることができます。詳しくご説明していきます。