NTTコミュニケーションズ社長 和才博美
撮影:石川 卓

──今春以降、ベトナム最大手の通信事業者と組んでデータセンターを開設したり、米国の海底ケーブル事業者やドイツのセキュリティ事業者などの買収に乗り出したりしている。その狙いは何か。

 アジアを代表する通信事業者として、ネットワークを“つなぐ”または“つなぎ続ける”という使命を果たすためだ。そのために、どの分野もまったく手がけていないわけではなかったが、世界の基準で相対的に弱い部分をより強化することに狙いがあった。

──日米間のインターネットの通信トラフィックは、過去3年間で、毎年、倍々の勢いで増えている。

 現在、日米間の通信回線の容量は210ギガビット/秒。たとえて言えば、毎秒2万1000本の映画(画像データ)が太平洋をビュンビュン飛び交っている計算になる。

 しかも、トラフィックは、これからも増えていくだろう。現時点ではまだ余裕があるが、いずれは私たちが手当てしている容量を超えるだろうと考えて、今から自前でハンドリングできるように海底ケーブルを持つことにした。