来年3月、横浜の地に三井不動産のフラッグシップタワー「横浜三井ビルディング」がオープンする。最先端のスペックと、危機管理に対応する独自のネットワークに支えられる、地上30階・地下2階の超高層ビルは、同社オフィスビルの基本コンセプト“ワーカーズファースト~働く人にいちばんの場所であること~”を具現化したものだ。

横浜三井ビルディング(2011年9月撮影)

「『横浜三井ビルディング』は、横浜駅エリア最大規模のオフィスビルで、当社にとって、各オフィスマーケットエリアでのフラッグシップであることを表す“三井”の名を冠しています。みなとみらい21地区で横浜駅に最も近く、同地区の北の玄関口ともいえる“67地区”に位置する、横浜エリアのフラッグシップタワーです」と説明するのは、ビルディング事業二部事業グループ統括・中澤健一氏だ。 

 地上30階・地下2階の超高層ビルの外観は、帆船をイメージ。海に向かって滑らかな曲線を描くスカイラインが特徴で、ランドマーク性を力強く主張する。

ワーカーズファーストに
基づいた高機能を搭載

 低層部には、横浜駅からみなとみらい21地区への人の流れを意識して、商業施設や「世界鉄道模型博物館(仮称)」を誘致、公共性の高いオープンモールを設ける。1階から3階まではシャトルエレベーターで、テナントの玄関口となる3階は屋上庭園を持つスカイロビーとなる。

 また、次世代を担うコア技術を持つ企業の発掘・育成を行うベンチャーキャピタルファンド「新産業創生ファンド」や「横浜国立大学未来情報通信医療社会基盤センター」などを誘致し、世界に向けた情報発信拠点としての機能も有する。

 高層オフィス部は、ウオーターフロントを借景とする1フロア約560坪の正形無柱のオフィス空間で、間仕切り変更を容易にするグリッドシステム天井を採用。非接触ICカードリーダー搭載のフラッパーゲートが設置されるなど、先進セキュリティが幾重にも張り巡らされる。また1フロアを4ブロック16ゾーンに分けてコントロールする分割空調や、快適さと省エネ性に優れた自動調光システムを採用するなど、高水準のスペックが装備される。地球温暖化対策やヒートアイランド対策、日立製作所製EV車用急速充電システム導入など建物自体の環境性能も高く、横浜市による建築物の環境配慮への格付け「CASBEE横浜認証制度」で最高位のSランクに認証されている。