見た目はきれいにお化粧して見栄えのする中古住宅でも、実は大きな問題があるかもしれない。逆に、見た目はみすぼらしい住宅でも、リフォームを施すと見違えるように生まれ変わる中古住宅もあるのだ。
中古住宅市場は玉石混交。お宝物件を見分けるためにはどうしたらよいか。代表的なチェックポイントをご紹介しよう。

マンションは1981年、一戸建て(木造)は2000年
以前か以降かがポイント

 建物の耐震基準はこれまで、大地震の教訓を受けるなどして何度も見直されてきた。

 このことについて「マンションは1981年以前か以降かがポイント」ということがよく言われる。これは1981年に「新耐震設計基準」として在来工法、ツーバイフォー、鉄骨、RCなどの構造について大幅に直しが行われたため。RCや鉄骨の建物を検討する場合は特に、建築確認申請年月日が1981年6月1日以降かどうかというのが大きな分かれ目だ。

 竣工(完成)年月日ではなく、確認申請の日付であることに注意しよう。それ以前の物件なら、耐震診断と必要に応じた耐震補強をしているかどうかを確認する。

 一方、木造軸組工法は2000年を基準に考えたい。というのも2000年にも大きな建築基準法改正があり、木造軸組工法(在来工法)の基準にかなりの見直しがあったからだ。

 例えば、新築時の地盤調査が事実上、義務化されたのはこのときから。そして金物種類の明確化、壁の配置にバランス計算が必要になったのもこの時点。この変更により、広い開口部などバランスが悪い建物をつくることは難しくなった。

 比較的最近の新築物件であっても、中には2000年の法改正内容を知らず、旧基準のまま施工されているものも。築浅の物件でも注意しよう。