味付けは醤油、わさび、しょうが、日本酒、ふりかけ?<br />米国西海岸に「和風ハンバーガー旋風」がやって来たこれが「Umami Burger」。見た目は「ロッ○○○」のハンバーガーとあまり変わらないが、「とことん和風」だという。

 ロサンゼルスの地元っ子の間で、長年一番人気の座を維持してきたハンバーガーと言えば、「In & Out Burger」。しかし――、最近ロサンゼルスでは、和風バーガー店が注目を集めている。

 まず今、おしゃれな若者たちの間で大人気なのが、ロサンゼルスを拠点とする「Umami Burger」だ。同店によれば、この「Umami」は日本語の「旨み」に由来する。同店のキャッチフレーズは「第5番目の味」(The Fifth Taste)」である。

 創業者のAdam Fleischman氏が、第1号店をラブレアにオープンしたのが2009年1月。以来着実に店舗を増やし、現在ではロサンゼルスのサンタモニカやロスフェリツなど、若者が集まるヒップな場所で5店舗を運営する。近い将来、ロサンゼルス近郊や北カリフォルニア、ニューヨーク、テキサス、ラスベガスへの出店も計画しており、長期的には全国展開を視野に入れているという。8月時点での5店舗でのハンバーガーの販売個数は、1日約5000個に上るとのこと。

 同店の「旗印」的なメニューと言える「Umami Burger」は、シイタケ、キャラメライズした玉ねぎ、ローストトマト、パルメザンチーズをカリカリに焼いたもの、Umamiケチャップ(ケチャップに何かを混ぜていると思われる)入りで11ドル。実際食べてみると、確かに一般的なアメリカのハンバーガー店で出されるバーガーにはない、独特の味だ。

 その他のメニューを見ても、醤油やわさびなど、和風調味料を使っているらしい。サイドメニューには「テンプラ・オニオン・リング」、もちろんドリンク・メニューには、緑茶(ホット/アイス)がある。またハンバーガーとポテト、飲み物がセットになったセットメニューの名前が「コンブ・ミール」など、どこまでも和風を意識しているようだ。

 このUmami Burgerに、今秋殴りこみをかけようとしているのが、ラスベガスを拠点とする「Fukuburger」(福バーガー)だ。

 2010年夏に営業開始したばかりのFukuburgerは、フードトラックで販売するいわゆる「屋台」である。日系人のColin Fukunaga氏とRobert Magsalin氏が始めた和風ハンバーガー・トラックは、今やツイッターで7500人がフォローし、事前告知した場所に大勢のファンが並んで購入するという、和風バーガー旋風をラスベガスに引き起こしている。

 このFukuburgerが、10月1日、ハリウッドに第1号店をオープンすることになった。トラックではなく、実店舗である。「Pink Taco」を運営するレストラン・オーナー、Harry Morton氏と提携、今後ロサンゼルスでの店舗拡大を計画している。

 すでに第2号店を、来春にダウンタウンのリトル東京近辺に出店する予定であり、ロサンゼルスでは5店舗から10店舗、またラスベガスでも数店舗をオープンするとしている。

 共同オーナーのFukunaga氏が日系人とあって、メニューはまさに和風と洋風のミックス。メインのバーガーは、店名にもなっている比較的「普通」の「Fukuburger」、ハンバーグに目玉焼き、カリカリのタマネギ、ふりかけ(!)を乗せた「Tamago」、味噌で味付けした豚肉ハンバーグにチーズやベーコンを重ね、さらにバーベキューソースをかけた「Buta-Burger」、シイタケや刻みしょうがをのせた「Kinoko」、スパイシーな「Karai」、チキンカツとキャベツの千切りにワサビマヨをかけた「Chiken Katsu」の6種類。

 オーナーの2人によれば、ハンバーグの味付けには、醤油、わさび、ゆず、しょうが、日本酒など、伝統的な和風調味料を使用しているという。ロサンゼルスの和風バーガー・ブームは、今後ますます盛り上がりそうだ。

(岡 真由美/5時から作家塾(R)