分譲マンション「アトラス」や戸建住宅「ヘーベルハウス」の分譲を行う事業と、不動産仲介・賃貸管理などの事業が一体となり、新たに誕生した旭化成不動産レジデンス。マンション建替え事業においても、これまで多数の実績を積み重ねてきた。同社の建替え事業の特徴を探る。

 旭化成不動産レジデンスは、旭化成ホームズの開発営業本部と旭化成不動産が一体となり、10月1日に発足した新会社だ。今後はマンションや戸建住宅の分譲事業に不動産の仲介や賃貸管理事業を含めた総合的な不動産事業を展開していく。 

 同社が分譲マンション事業で特に力を入れているのがマンション建替えだ。今年4月には、管理組合などへの情報発信や調査活動の一層の強化のためマンション建替え研究所を設立した。

「高経年マンションの建替えニーズが増えていますが、実際にはさまざまな問題があり、建替えが進んでいないのが現状です。当社では、さまざまなマンションの建替え経験を基に、そうした問題の解決をお手伝いしています」とマンション建替え研究所・向田慎二所長が言うように、旭化成不動産レジデンスの実績は豊富だ。

 マンション建替え円滑化法適用第1号となる「諏訪町住宅」や、30年以上にわたり多数のディベロッパーやゼネコンが建替え計画を提案したものの、実現しなかった同潤会「江戸川アパートメント」など、数々の建替えを成功させてきた。

 成功の秘訣は、建替え検討初期のアドバイスから、区分所有者の合意形成、事業計画立案と推進、アフターフォローまでのトータルでのコンサルティング力にある。特に大きなポイントとなるのが合意形成だ。