北朝鮮問題について
“第三者”的な立ち位置を強調する中国

「中国としては、国連安保理の北朝鮮問題に関する決議を全面的に執行し、制裁を強化するのと同時に、なんとかして和談を再開し、制裁の圧力を交渉の動力に転化させるべきであると考える」

習近平は対北朝鮮政策の転換を国家主席就任前から考えていた

 9月21日、米ニューヨークで行われた核不拡散に関する安保理閣僚級公開会合にて、王毅外交部長がこのように主張した。中国は「朝鮮半島の非核化」と「朝鮮半島の平和と安定」を同半島における外交目標に掲げてきたが、それを実現するための暫定処置として「北朝鮮が核開発・実験を止めること」と「米韓が軍事演習を止めること」から成る“双暫停”というイニシアティブを強調した。今年に入ってから中国政府が繰り返し随所で提起するアプローチである。

 中国自身の外交政策として、核開発・実験、ミサイル発射といった北朝鮮の横暴も、軍事演習、THAAD配置といった米韓の動向も止められないのが現状であり、そんな中、中国はこの問題においてこれまで以上に“第三者”的な立ち位置を強調するようになっているように私には映る。問題解決がされない原因や責任の所在が中国にあると、国際世論から捉えられたくないのだろう。

 参考までに、今年5月、全国人民代表大会外事委員会主任を務める傅瑩(Fu Ying)・元外交部副部長は、米ブルッキングス研究所で発表した論文《The Korean Nuclear Issue: Past, Present and Future- A Chinese Perspective》の中で、北朝鮮問題が深刻に複雑化していく過程において、「中国はあくまでも米国側の要請を受け、仲介役として北朝鮮の核問題に関わることになったこと」、「問題の当事者はあくまで米朝両国であり、中国は問題解決のための手伝いをしていること」、「6ヵ国協議という対話と交渉の舞台を用意することを通じて問題解決への道筋は見えたが、米朝間の各自行動や相互不信が原因で解決には至らなかったこと」などを主張している。