いま、遺言や相続で悩まれている方が増えています。人それぞれ、いろいろな問題を抱えていますが、遺言があった場合となかった場合では、どう違うのでしょうか。ユニークな遺言の書き方を提唱する『90分で遺言書』の著者・塩原匡浩氏に、遺言のポイントを聞く。

特定の人に遺産を贈りたいときのポイント

息子の嫁に財産を贈りたいときは
どうすべきか?

 よくドラマにもなっていますが、夫の両親のどちらかが亡くなったとしても、夫の妻には相続権がありません。

 夫の配偶者は、夫の両親に関して法定相続人ではないからです。

 もし夫に先立たれていた場合、亡夫の両親の食事の世話や介護などの面倒をどんなに長い間みていたとしても、亡夫との間に子供がおらず、亡夫に兄弟姉妹がいるとしたら、亡夫の両親の相続が発生しても、その兄弟姉妹がすべて相続することになります。

 親の立場からみれば、もし息子の嫁に感謝し、今後も自分たちの生活の面倒をみてもらいたいと考えるのなら、その労をねぎらう意味でも息子の嫁のために遺言でその意思を明確に記し、しかるべき遺産を贈るのがよいと思います。

 遺言を決して難しくとらえる必要はありません。法律で定められたあなた固有の権利なのです。

 もし自分で書くのが難しければ、弁護士、司法書士、行政書士などの士業や公証役場が相談にのってくれます。一番大事なのは、「遺言を書こう!」という気持ちなのです。