海外に製品やサービスを売り込むチャンスはますます増えていますが、英語が苦手だと、展示会や出張に行くのもついつい億劫になってしまいます。それでも、ビジネスチャンスは英語の上達を待ってはくれませんから是非トライしたしところ。しかも、多少発音や文法がおぼつかなくても、「この日本人、できる!」と海外バイヤーをとうならせることができるんです! そのポイントは、商談プロセスに応じて詰めるべき事項をきちんと押さえていることと、そういう交渉に必要な英文フレーズがとっさに出てくるよう覚えておくこと。この二つを一気に押さえられるのが、新刊書籍『海外出張/カタログ・ウェブサイト/展示会で 売れる英語』です。これまで数多くの産業財・消費財の海外販路の開拓支援にたずさわってきた著者がそのノウハウを余すところなくまとめた本書の一部をご紹介していく本連載、今回のテーマは海外商談で気軽に言ってしまいがちだからこそ頻繁に「言ってはいけない」英文フレーズです。

 商談に限らず、普通の英会話でも、なんとなく使いやすいフレーズというのがあると思います。しかし、あまり頻繁に使いすぎると、自分の印象を下げかねないフレーズもあり、注意が必要です。ここでいくつかご紹介しましょう。

慣れない海外商談で思わず連発してしまう…<br />頻繁に「言ってはいけない」英文フレーズ「Really?」とつい連発していませんか?

◆「Really?」

「へー、ホント?」と伝えたいとき、「really ?」といってもちろん間違いではないのですが、日本人は使う頻度が高すぎます。つい相づちがわりに言ってしまっていませんか。一点張りでは知性が感じられません。ニュアンスによって使い分けてみましょう。

【比較的軽い感じ】
・Really? ホント? (疑問・驚き・皮肉)
・Is that so? そうなの? (疑問・驚き・皮肉)

【強い疑念】
・What? 何? (驚き。目上の人には避けましょう)
・Are you sure? 本当ですか? (強い疑念、念を押す)
・You must be kidding.  冗談ですよね。

【軽い否定】
・I am sorry.  I don't understand it.  すみません。私は理解していません。(「I am sorry 」を付けないと、きつい語感になります)
・I can understand it, but I cannot accept it.  おっしゃっていることはわかりますが、同意できません。 

【強い否定】
・I don't think so. 私はそう思いません
・I can't believe it. 私には信じられません
 *これらだけだと少しぶっきら棒なので、because~と続けて理由を説明してあげましょう。

◆「I think…」

これも、曖昧さを好む日本人が文頭で言いがちなフレーズです。謙虚ですが、多用すると自信の欠如とみなされます。あくまで会社の意見の違う自分の意見だということを表明したければ「I personally think」と一言添えることにして、いつもいつも「I think」とつけないようにしましょう。

・I personally think your company could be our perfect sales partner.
(個人的には、御社は我々の完璧な販売パートナーになりうると思います。)

◆「To be honest with you…」(正直に言えば…)

これも日本人がよく使うフレーズですが、あまり頻繁だと「普段は正直でないのか?」と思われてしまいます。

◆「In Japan,…」 

「日本では…」と、国内の解説を連発しすぎるのも考えものです。日本の特殊性を説明しなければならないときもありますが、あまり使いすぎると「日本だけ特別扱いできない」と反発を招きます。適度な頻度に抑えましょう。

◆「Oh, my god!」(なんてことだ)

アメリカの映画やドラマでかなり頻繁に使われていますが、仏教徒や無信仰の人がいうのは不自然です。

 いかがでしたか? そう言えば、自分もつい頻繁に使っているなと思い当たるフレーズもあるのではないでしょうか。それを自覚して気を付けるだけでも会話の印象は違ってきます。自分の癖を少しずつ直していきましょう。