中学生以上はまだしも、
ひとケタ年齢層は日本アニメを見ない!?

 中国人に親しまれている日本のコンテンツというと、世界の「ドラえもん」や、訴訟沙汰が話題になった「クレヨンしんちゃん」などのアニメを思い浮かべる読者は多いだろう。だが中国のいまどきの子どもは日本の子ども向けアニメは見ない。「ドラえもん」すら、キャラクターとして認知されている程度にしか知られていない。

「いやいや中国の若者はアニメを見るだろう、アニメ好きが転じて日本に興味を持ってくれているのだろう」という読者もいよう。ごもっとも。たしかに中学生・高校生以上の年齢層に「NARUTO」や「ワンピース」などのアニメは人気があるが、一方で多くのひとケタ年齢の子ども達たちにとって、日本のアニメに触れる機会はほとんどない。ちなみにアニメで日本に興味を持つのは、ざっくりいえば、「けいおん!」などの日本の深夜アニメを中国の動画サイトで見る層で、数でいうとアニメを見る若者の中のほんの一握りだ。

「ドラえもん」「クレヨンしんちゃん」はもう古い!?<br />アニメもゲームも“日本離れ”する中国の子どもたち中国国産の子ども向けアニメ映画も続々登場
Photo by Takeshi Yamaya

 小さな子どもたちに人気のアニメは「喜羊羊与灰太狼(略称:喜羊羊)」。2年前に紹介したが、未だに根強い人気で、衰えるどころか、喜羊羊のキャラクターグッズはますます多く売られるようになっている。

 喜羊羊に続く、男の子にも女の子にも人気のアニメは出ていない。だが男の子向けには、「ウルトラマン」に取って代わる正義のヒーローが主役のコンテンツ「鎧甲勇士」が、女の子向けの「セーラームーン」の座には、闘う女の子が主役のコンテンツ「巴拉拉小魔仙」が登場している。

「ドラえもん」「クレヨンしんちゃん」はもう古い!?<br />アニメもゲームも“日本離れ”する中国の子どもたち子ども向け玩具で人気商品を出す「奥飛(AULDEY)」
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 いずれも、仕掛けたのは「奥飛(AULDEY)」という模型を中心に展開する子ども向け玩具メーカー。動画コンテンツをリリースする一方で、キャラクターグッズもデパートやスーパーのおもちゃ売り場に幅広く展開することで、多くの子どもに知られるようになった。他にも奥飛は、ミニ四駆と同コンセプトのおもちゃや、ヨーヨーを題材にした独自のアニメを発表し、キャラクターグッズを展開、コンテンツの認知度を高めている。