VW、EVシフトの「張本人」が日本市場にディーゼル投入の思惑<br />VWのディーゼルエンジン搭載モデル「パサート ヴァリアント TDI」 Photo:Volkewagen

 独フォルクスワーゲン(VW)が来年初め、ついにディーゼル車を日本市場に導入する。

 VWといえば2015年9月、米国の排ガス試験をクリアするために違法なソフトウエアをディーゼル車に装着していた不正が発覚。世界的な“脱エンジン”の流れと電気自動車(EV)シフトを加速させた張本人だが、日本市場においては、実はそれ以前から計画していたディーゼル車導入が見送られてきた経緯がある。

 メルセデス・ベンツやBMWなど同郷のライバルメーカーが日本で順調にディーゼル車の販売台数を伸ばす中、後れを取ったVWも巻き返しを図るが、業界内には「失墜したブランドイメージを回復させるのは容易ではない」との厳しい見方もある。

 VWグループジャパンが来年初めに発売するのは、中型セダン「パサート」とステーションワゴン「パサート ヴァリアント」の2車種。国土交通省の型式認定を9月に取得し、今月28日から一般公開される第45回東京モーターショーに参考出品する。

 日本でかつてディーゼル車といえば、東京都が1999年に打ち出した「ディーゼル車NO作戦」でよく知られるように、黒煙をまき散らす“悪者”のイメージが強かった。