中古物件をリノベーションして、自分好みの「家」に造り替える人が増えている。しかし、構造や築年によっては、できることが制限されるので注意が必要だ。そこで、物件の選び方や段取りなど、リノベーションを成功させるコツをプロに聞いた。

リノベーションに向くマンション
リノベの内容に応じて
改修しやすい物件を選ぶ 

リビタ 大嶋 亮
おおしま・りょう/リビタ リノベーションフルサポートサービス事業部 リノサポ第1グループ グループリーダー。コンサルタントとして、中古住宅を買ってリノベーションする人をサポートする傍ら、「リノベ塾」を主宰し、リノベーションに関する情報を広く一般に発信している。

 マンションによって躯体の構造や配管・設備の状態は異なる。自分が希望するリノベーションは、どんな物件なら可能なのか。リノベーションに詳しい、リビタの大嶋亮氏に教えてもらった。

「自由に間取りを変えたい、広いリビングルームにしたいなどの希望があるなら、その物件の構造種別を確認してください。『ラーメン構造』ならば比較的自由度が高いのですが動かせない構造壁が存在する『壁式構造』だと難しいケースが多いです」(大嶋氏。以下同じ)

 室内に電気温水器がある物件も要注意。基本的に動かせないことが多いので、これさえなければ希望の間取りにできたのに、というケースも多いという。

「また、ハンモックやプロジェクターを吊りたいという人も多いのですが、躯体は共用部分なのでアンカーが打てないため、こちらも難しい場合があります」

 キッチンやお風呂、トイレなど、水回りの位置を変えたい場合は、給排水管(床下)や排気ダクト(天井裏)の配管のルートによって、難易度が大きく変わってくる。