今年もプロ野球日本シリーズが近づいてきたが、じつは日本シリーズと株式市場の動きのあいだには強い相関がある。この関係について述べてみたい。

 1997年から2007年まで11年連続で、パ・リーグ(以下パ)が優勝すれば東証株価指数(TOPIX)は上昇、セ・リーグ(同セ)が優勝すれば下落した。しかし08年を境にこの関係は逆転、昨年まで3年連続でセが勝てば上昇、パが勝てば下落となっている。したがって、株価上昇を願う投資家の立場からすれば、セの優勝が望ましいこととなる。

 特に期待できそうなのは中日だ。一時ヤクルトに10ゲーム差をつけられながら逆転した勢いそのままにクライマックスシリーズを勝ち抜けば、昨年の雪辱を果たして落合監督の花道を飾る可能性は高そうだ。

 過去、中日が日本一になった年の株式市場は成績がよくないが(54年と07年は共にTOPIXは下落)、今回は違うと考えている。セを連覇しながら退陣を余儀なくされる落合監督を世論は後押しすると思われるし、また一時ヤクルトに大差をつけられながらも逆転優勝した中日の姿を株式市場に重ね合わせ、今年10月21日時点で年初から17.2%下落しているTOPIXについても「まだまだいける」と勇気づけられる投資家も多いかもしれない。