「28歳」は分岐点、今後の人生戦略7大テーマに備えよ何かを決断する時、28歳の「いま」の現状で判断するのではなく、30年後や50年後の人生を見据えながら判断する習慣をつけよう(写真はイメージです)

要約者レビュー

「28歳」は分岐点、今後の人生戦略7大テーマに備えよ『28歳からのリアル』
人生戦略会議、192ページ、WAVE出版、850円(税別)

 28歳と聞くと、あなたはどのようなことをイメージするだろうか。寿命が約85歳だと仮定すると、すでに人生の3分の1が過ぎ去り、残されている時間は3分の2しかない。それが28歳だ。

 28年という月日は長い。28年前、スマホは存在しなかったし、人間の寿命はもっと短かった。当然、東日本大震災や原発事故といった天災や人災も起きていなかった。28年の間では、どんなことでも起こりうる。言い換えれば、28年とはあらゆる可能性を秘めている期間なのだ。

 本書『28歳からのリアル』は、28歳がこれからの人生設計を立てるために何が必要なのかをまとめた指南書である。仕事、結婚、お金、住まい、健康、親、常識の7つのテーマに分かれ、統計に基づいた観点から、これからの人生で何に備えておかなければならないかが詳細に述べられている。

 何においても準備は大切だ。仕事に変化をつけるにせよ、結婚するにせよ、家を購入するにせよ、適切な準備をしなければ、いつ立ちゆかなくなったとしてもおかしくない。しかし、過度に悲観する必要はない。きちんと準備さえしていれば、快適で幸せな人生を手に入れることだってできるはずだ。

 一度立ち止まって50年後の将来を見すえ、自分の人生を再デザインしてみたくなる一冊だ。(山下あすみ)

本書の要点

(1) 生活に困っているときに転職活動をおこなうのはリスクが高い。失業保険の金額とこれまでの蓄えを踏まえ、いつまで失業していられるかを計算するべきだ。
(2) どんなことにおいてもお金は必要だ。今のうちから自分のお金の流れを掴んで着実に貯金し、お金を増やす努力をするべきである。
(3) 何かを決断するときは、28歳の「いま」の現状で判断するのではなく、30年後や50年後の人生を見すえながら判断する習慣をつけよう。真剣に悩むことは決して無駄にはならず、その分将来の自分に返ってきてくれるはずだ。