陥りがちな思考の罠に迫る「カイゼン!思考力」。今回は、「ラベリング・テクニックの誤用」を取り上げる。

――問題です

 以下のAさんの問題は何か。

 Aさんはある企業の管理職。部下に対して以下のようなコミュニケーションをする癖がある。

「B君、君は典型的な『でもしか』タイプだな。他にアイデアがないから、とりあえずこれでもやっておくか、という感じで仕事を進めているね。まあ、君のようなバックグラウンドだとそういうタイプが多いんだよね。そういう習慣ってなかなかかわらないものだから、まあ仕方ないかな」

「Cさんは、いまどきの『草食系男子』ならぬ『草食系女子』だね。チャンスがあるのに積極的にそれを狙いに行くということをしないな。アグレッシブさがちょっと不足気味かなあ。まあ、アグレッシブじゃなくても結果さえ出してくれれば別にいいんだけどね」

「D君は典型的な頭より先に足が動いちゃうタイプだね。昔の営業マンのスタイルだな。いつまでそのスタイルが続くかぜひ挑戦してみてくれ。そういうタイプが一定いることも悪くはないだろう」