西新宿に実在する理容店を舞台に、経営コンサルタントと理容師が「行列ができる理容室」を作り上げるまでの実話に基づいたビジネス小説。「小さな組織に必要なのは、お金やなくて考え方なんや!」の掛け声の下、スモールビジネスを成功させ、ビジネスパーソンが逆転する「10の理論戦略」「15のサービス戦略」が動き出す。
理容室「ザンギリ」二代目のオレは、理容業界全体の斜陽化もあって閑古鳥が鳴いている店をなんとか繁盛させたいものの、どうすればいいのかわからない。そこでオレは、客として現れた元経営コンサルタントの役仁立三にアドバイスを頼んだ。ところが、立三の指示は、業界の常識を覆す非常識なものばかりで……。
12/6配本の新刊『小さくても勝てます』の中身を、試読版として公開します。

絶対に夢が叶う方法

その怒りを、鏡に映るオレの表情に見てとったのかもしれない。

「でもな、君は愛すべきアホなんや。本気なんや」

なんでだろう。その一言でオレの怒りはスーッと消えた。

「そこまで、やりたいことに出会えるのは才能やで」

「才能すか?」

急に褒められて居心地が悪かった。また、投げ飛ばされるのではないかと思った。

「そうや、才能や。あのな、絶対に夢が叶う方法、教えたろか?」

「そんな方法あるんすか?」

「ない思うやろ?それがあるんや」

「本当すか?」

「叶う。誰がやっても叶う」

――本当にそんな方法があるんだろうか?あるんだったらやってみたい。

それを見透かしたように立三さんは言った。

「ただな、それをやっていて途中でやめたら、逆にどんな夢も叶わなくなる。そういう怖い側面もある。しかし、やり続けたら絶対に夢は叶う。諸刃の剣や。そういう方法あるんやけど、聞きたいか?」

「お金かかるんじゃないですか?」

「金か? 金はほとんどかからん。まあ、1年で1000円かからんやろ」

「それは安いですね。なら、教えてください」

「現金やな。しゃあない、教えたるわ」